「コンビニ百里の道をゆく」は、50歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
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緊急事態宣言から1カ月以上が経ち、感染者数は減少し、地域によっては宣言が解除されました。まさに国難の中、しっかりとお店に青い光を灯し、地域の生活を支えて頂いたクルーの方や加盟店のみなさんには敬意と感謝の気持ちでいっぱいです。
商品製造のメーカーさん、工場、仕分けセンター、トラックなどの流通をはじめとした多くの方の支えも頂いています。本当にみなさんありがとうございます。
ただし、予断を許さず、第2波、第3波への懸念も含め、まだ社会全体が不安定な状況です。カミュの小説『ペスト』が再び注目されていますが、人類と感染症の闘いには必ず終わりが訪れます。が、それがいつになるのかは不透明です。ワクチンが社会に行き渡るまで、あるいは確たる治療薬が開発されるまで、ウイルスとの闘いは自粛と緩和を繰り返しながら続いていくと言われています。
私たちローソンにとってもこの不安定な状況の中で営業を継続していくことが、New Normalになる。不安定な状況をNew Normalと受け止めるためにも、普段以上に現場の視点を重視し、加盟店のみなさんの声を聞き、お客様、働く仲間の感染防止を徹底しながら、我々も変化し続けなければなりません。先般、緊急事態宣言発動中のトイレ、ゴミ箱、灰皿の一時使用休止の推奨も発表しました。
トイレについては、社会を支えるドライバーの方、緊急の方はお店にお声がけの上、ご使用頂くこととしています。周辺のトイレ事情で使用を継続するお店もあります。一時的にご不便をおかけしますが、今はお客様とお店で働くみなさんの感染防止への備えが何よりも大切です。
厄介な敵との長期戦。できる限りの備えをし、お客様の生活の変化に合わせて加盟店のみなさんと共にマチマチで変化し続けたいと思います。
※AERA 2020年5月25日号