自分は大丈夫と思っていても、実は知らぬ間に口呼吸している人も多い。改善することで、いびきや口臭の解消や仕事のパフォーマンスも変わる。AERA 2020年6月15日号では、医師考案の改善法「あいうべ体操」を紹介。
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積極的に口呼吸を直し、鼻呼吸を習慣化することが大切だ。鼻呼吸をしていると思っている人でも、実は口呼吸をしているというケースは多いとみらいクリニック院長で内科医の今井一彰医師はいう。
「患者さんに聞いても、ほとんどの人が『自分は鼻呼吸をしている』と答えますが、診察してみるとそのうち8割近くは慢性的な口呼吸でした」
口呼吸の人によく見られる12の特徴をチェックリストにまとめた(下記)。一つでも当てはまれば、知らず知らずのうちに口呼吸をしている可能性があるという。
もっとも手軽で簡単な改善法として今井医師が勧めるのが「舌の筋トレ」だ。今井医師によると、本来、舌は口を軽く閉じたときに舌先が上あごにピッタリつくようになっている。しかし舌は成人で200グラム前後もある筋肉の塊。鍛えないでいると筋力が衰え、重力に負けて垂れてしまう。舌が下がると下あごが下に引っ張られて口が開きやすくなり、口呼吸になってしまうのだという。
「舌位置は加齢と共に下がる傾向があり、これがいわゆる二重あごを作り出します。ただ、舌の筋力の低下は若い世代にも見られます。軟らかいものばかり食べている、会話が少ない、チューインガムや風船を膨らますなど口を使う遊びをしなくなった、口を開けていても周囲の人が注意をしない、そんな現代のライフスタイルが、口呼吸の人を増やしていると考えられます」
そこで今井医師が考案したのが「あいうべ体操」だ。口を大きく開けて「あいうべ」を繰り返すだけ。覚えやすく、道具も必要ないのでどこでもできる。目安は1日30セットだ。
「あいうべ体操を実践した小学校からは、児童が風邪をひきにくくなった、インフルエンザが流行する冬の季節の欠席者が減ったなどという報告もありました」(今井医師)