竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社
まだ3店舗ですが、「自宅の近くで無印が買える!」と驚かれるお客様も多いと思います
「コンビニ百里の道をゆく」は、50歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
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「無印良品」でおなじみの良品計画さんとの連携が始まりました。肌着や化粧品、レトルト食品など約500品目を都内のローソン3店舗で実験展開中です。
商品を店の片隅にちょこんと置くのではなく、ゴンドラと呼ぶ商品棚を10本程度使ってドーンと展開することにこだわりました。「やるからには思いっきり」。ローソンでのチャレンジの鉄則です。
良品計画さんの商品は、正に「感じ良いくらし」を実現するさりげなくよいものばかり。私自身も実は大ファンの一人です。キャリーケースなどは国内外出張時の頼れる相棒として長く愛用しています。
一方、私が社会人になった約30年前、コンビニはどこか「とりあえず……」「仕方なく……」というイメージがあったように思います。上京する時に母親から「コンビニ弁当ばかり食べていてはダメよ」と言われた方も多いのではないでしょうか。また、「緊急購買」と業界では呼んでいますが、急な出張で下着や洗面用具が必要な時など、「とりあえずコンビニで」。このコンビニ観を変えたいと思っています。
昨年、ローソンは、お客様や社会に「圧倒的な美味しさ」「人への優しさ」「地球(マチ)への優しさ」という三つの約束を掲げました。新商品の開発は、美味しさの徹底追求に加え、添加物や塩分量、糖質、そして勿論環境にも配慮する。こうしたことを通して、コンビニと総称される存在から、「ローソンに行きたい」「ローソンのあれがほしい」と指名買いされる存在になりたい。
良品計画さんにそんな思いを話したところ、「ぜひ一緒に」と話が進み、今回の連携が実現。まずは実験店でお客様のニーズを探っていきます。
大きく展開するときには共同開発したPB商品も視野に入れており、良品計画さんと我々の思いを込めた商品を全国に届けたいと思っています。
※AERA 2020年7月13日号