鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中
鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中
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 放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、浜崎あゆみさんやイチローさんなどスターに共通することについてつづります。

【写真】あゆはやっぱりスターだった!ライヴでの姿は圧巻

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 このエッセーで前回、ドラマ「M 愛すべき人がいて」について書きました。僕が脚本を書かせていただいたこのドラマですが、放送開始してから浜崎あゆみさんのドラマについてのリアクションはなく、周りから「怒ってるんじゃないですか?」とよく聞かれるという事を。そこで僕は最終回数日前にアップされたこの連載に、「僕の妄想としては、最終回が終わった後に、インスタとかで「このドラマ、最低だけど最高!」なんてことを書いてくれたら、すべてがオールオッケー、脱糞するほど喜んでしまうと思いますが、それはないのかな~と思ったり」と書きました。そしたら、最終回放送後、いろんな人から連絡がありまして「浜崎あゆみさんのインスタのストーリー見てーーー」と。早速開いてみると、そこに書いてくれたのです。僕の記事「それはないのかな~と思ったり」というところまで引用し……

 その後に、「鈴木さん、それが、ありました。」と書いてある。

 それを見て「え?鈴木さんって僕のこと?」と思うわけです。そしたら、そのあとに「ほんと最低で最高で、大嫌いで大好きでした。脱糞しないで下さいませね。」と。

 僕が妄想で書いた文章を、まんま、しかも、そこにプラスして、最後には「脱糞しないで下さいませね。」と書いてあるじゃないですか。いや、マジでビックリしました。感動しました。本当に僕の投げた球を打ち返してくれるなんて。しかも「脱糞」なんてシャレまで含めて打ち返す。

 格好いいーーーーーー!そして最後に「携われた全ての皆様、お疲れ様でございました!!!」「「M」よ、静かに眠れ・・・」と結んでいる。

 これはドラマに携わった全ての人たちがグっと来たはずなんです。

 話はちょっと変わって、去年と今年、イチローさんとお仕事させていただきました。今、動画でも上がっていますが、一般の人たちが生徒となり、その人たちの質問にイチローさんが先生として答えていくという動画。僕も現場にいましたが、全ての質問に対して全力。そして、どこか洒落ている。この「お洒落」、別の言葉で言うならば、ウィットに富んでいるということなんでしょうが、それだとおさまりきれない。

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スターはお洒落、そして何よりも……