「コンビニ百里の道をゆく」は、50歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
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新型コロナウイルスの影響で自粛が続いていたプロ野球が、先日3カ月遅れで開幕しました。選手や監督には事前にPCR検査を実施し、無観客試合からスタート。私は阪神タイガースのファンなので、ジャイアンツとの開幕3試合を自宅の“テレビ桟敷”で感慨深く観戦しました。
シーンとした球場では、木製バットにボールが当たったときの「カーン」という音が心地よく響き渡ります。実況中継の声がマウンドにも聞こえていたようで、投手の球筋が読まれているのでは?というハプニングもあったようです。各球団も工夫されていて、ファンから募集した応援動画を流して選手を鼓舞したり、複数の定点カメラを用いて様々な視点から試合を見られたりする試みも。選手の方もテレビの前のファンの皆さんも「これがニューノーマルか」としみじみ感じたのではないでしょうか。
アメリカではプロゴルフツアーが万全の態勢で再開。ところが、再開2戦目の2日目プレー前に一人の選手が不調を訴え、PCR検査をすると陽性反応。濃厚接触者には再び検査をする。大丈夫ならプレーを続けるという決断を下し、大会は無事に終了。
コロナ禍ではスポーツだけでなく、演劇や寄席も中止になりました。自粛要請で休業をやむなく選択した飲食店も多くあります。ウィズコロナを掲げる今は防戦一方ではなく、各分野で新しい活動様式の模索が続いています。
7月に入り、東京都の感染者数が再び増加に転じるなど、まだまだ油断はできません。自分の身にも起こりうることを前提にしながら、ウィズコロナであることを忘れることなく、3密を避け、自分の体調の変化にも意識を向ける。異変を感じたら申告して検査を受ける。バランスを取りながら、新しい生活様式で、まだ続くコロナ禍を乗り越えたいと思います。
※AERA 2020年7月20日号