今年1月の党首会談の後、取材に応じた立憲民主党の枝野代表(右)と国民民主党の玉木代表。このときは物別れに終わった2人の道は重なるか/1月10日、国会内 (c)朝日新聞社
今年1月の党首会談の後、取材に応じた立憲民主党の枝野代表(右)と国民民主党の玉木代表。このときは物別れに終わった2人の道は重なるか/1月10日、国会内 (c)朝日新聞社
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所属する主な国会議員(AERA 2020年7月27日号より)
所属する主な国会議員(AERA 2020年7月27日号より)

 野党第1党の立憲民主党と国民民主党が、再び合流の動きをみせている。ささやかれる解散総選挙に向け立憲は野党結集を急ぐが、国民の内部は割れている。AERA 2020年7月27日号の記事を紹介する。

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 立憲民主党と国民民主党がそれぞれ解党して「立憲民主党(通称・民主党)」となる──。15日、福山哲郎・立憲民主党幹事長から、平野博文・国民民主党幹事長へと手渡された1枚の提案書。見覚えのある党名のあと、提案書はこう続く。

「立憲民主党・国民民主党・無所属(選挙区当選)・無所属(比例復活当選)の衆議院議員、同じく、参議院議員が入党しやすい環境を整備するために、両党はそれぞれ解散し、新設合併方式で新党を結成する」

 国民民主党のベテラン議員はこの文書について「立憲民主党側が、ギリギリのところまで妥協してきたなと感じた」と語る。

「提案書には、その他の項目は、昨年12月27日の両党幹事長の確認事項に依るものとあるので、結局、党名以外の政策はのみます、ということ。逆を言えば、党名だけは譲れないので、これで勘弁してね、という苦肉の策が『通称・民主党』なのでしょう」

 両党の合併話は、これまで幾度となく協議されてきた。しかし1月の枝野幸男、玉木雄一郎の両代表会談の後、破談に。立憲側が「党大会における代表選挙の実施」を確約しなかったことが理由の一つだと言われている。しかし、今回、その文言が提案書に明記されたことで、今度は国民側にボールが委ねられた格好だ。

 国民側で野党合流を主導しているのは小沢一郎衆議院議員らで、平野幹事長らベテラン勢も前向きだ。一方の玉木代表は合流には否定的という。玉木氏に近い国会議員の一人は、代表本人の胸の内をこう慮る。

「今の党首というポジションの方が、居心地がいいのは当然。今回も幹事長間での合流話がメディアでささやかれると、立憲民主党を3月に離党した山尾志桜里議員の入党を認めるなど、立憲にしてみれば今は触って欲しくない案件を表に出して牽制しました。合流後、仮に党首選を実施しても、議員数から考えて党首の座を射止めるのはかなり難しいことは、当然、本人は分かっていると思います」

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