1月14日、鹿児島県にある桜島が、史上最も早い100回目の爆発的噴火を記録した。昨年まで3年連続で過去半世紀最大の爆発的噴火回数を更新してきた。さらに桜島とマグマが連なる霧島連山の新燃岳も再噴火が間近だとされている。日本の地底で起きている異変に、原発の即時全廃を訴える作家・広瀬隆氏が巨大地震への警鐘を鳴らす。

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 火山の噴火は、地底から生み出されるマグマが噴出することによって起こる現象である。このように桜島の噴火回数が急増しているということは、地底が活発に動いているということにほかならない。

 多くの日本人は、昨年の大地震のあと、これで大地震はしばらく来ないと勘違いしたり、もう来ないようにと胸中で祈ったりしているが、自然界の冷酷な掟はちょうどその逆で、間違いなく次の大地震が目前に迫っていると警告している。

 私が一昨年に『原子炉時限爆弾~大地震におびえる日本列島』(ダイヤモンド社)を書いて、大地震による原発事故の発生を警告したのも、3年前に桜島の大噴火が始まって、大地震が切迫していると確信したからである。これは、直感に基づく危機感ではない。それは、大正桜島大噴火のあとに、関東大震災が起こった歴史に学んだ危機感であった。

 一体、「どこで」、「いつ」それが起こるか、誰にも分からない。そのため最近は、しばしば「どこそこ」の地震発生確率が高まっている、といった新しい評価に関する記事が出て、いわゆる学術的な論法で警告が出されているが、確率論の数字は、一部地域の目安になるだけである。それ以上に危機意識を持っておかなければならないことは、日本全体、どこでも危ない、ということである。

※週刊朝日 2012年2月17日号