子どもは感染しづらいとされてきたが、専門家は「子どもが感染しづらいという科学的根拠は見つかっていない」。手洗いを徹底するなど、ウイルスを近づけず、感染させない注意が引き続き必要だ (c)朝日新聞社
子どもは感染しづらいとされてきたが、専門家は「子どもが感染しづらいという科学的根拠は見つかっていない」。手洗いを徹底するなど、ウイルスを近づけず、感染させない注意が引き続き必要だ (c)朝日新聞社
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 新型コロナウイルスは、当初、子どもは大人に比べて感染しにくいと考えられてきた。だが、その傾向は変わってきている。子どもを感染から守るにはどうすればいいか。AERA 2020年8月3日号から。

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 新型コロナウイルス感染者数の増加に伴い、学校や保育園における集団感染が各地で報告されるようになってきた。日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会が5月に発表した「小児の新型コロナ感染症に関する医学的知見の現状」では、5月7日までの知見からは、インフルエンザの場合とは異なり、学校や集団保育の現場で集団感染を起こして広がっていく可能性は低いとしていた。その傾向が変わったのだろうか。

 厚生労働省によると、国内の感染者のうち10代以下が占める割合は、5月1日には3.9%だったが、7月15日には4.7%と、やや増加傾向にある。

 欧米でも、5月ごろまでは小児は成人に比べて感染しにくいとの報告が多く出ていたが、最近は状況が変わってきている。

 スペインのSJDバルセロナ子ども病院の研究チームは、6月、保護者の感染が確認された411家族の子ども724人に対する血液検査の結果を発表し、17.5%の子どもが過去に感染していたことがわかった。これは成人の家庭内感染率とほぼ同じだという。ただし、感染経験のわかった子どもの99%は無症状か、ごく軽い症状しかなかった。

 米フロリダ州の約70郡のうち6郡では、7月17日までに検査を受けた18歳未満の子どもの2割以上が陽性だった。州全体でみても子どもの陽性率は13.4%で、全年代の陽性率12%よりやや高かった。

 国内外の子どもの感染傾向を、日本小児科学会同委員会のメンバーでもある国立感染症研究所感染症疫学センターの神谷元・主任研究官はこう説明する。

「流行初期に国内外で報告された小児の疫学状況は、ロックダウンや緊急事態宣言、学校閉鎖といった特殊な環境下のものなので、それが小児の通常の感染状況だと考えない方がいい」

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