◆「日本に新しいサービスを届けたい」◆
エアアジア・グループCEO、トニー・フェルナンデス氏
全日空(ANA)とエアアジア・ジャパンを設立したエアアジア・グループCEOのトニー・フェルナンデス氏(47)に、今後の展開を聞いた。
--国内線はどれくらいの価格になりますか。
私たちは、フライト1時間当たり約30ドル(約2400円)で飛べる。成田から大阪まで1時間だから、片道ならほぼこの値段。1時間半の福岡までなら45ドル(約3600円)だ。日本は人件費や着陸料が少し高いが、燃料代もその他多くの料金もマレーシアと変わらない。私はこれぐらい低くできると自信をもっている。都内のタクシー代で、大阪までランチを食べに行けるんだよ。
--驚きです。国際線はどこを飛びますか?
中国や韓国だ。それに太平洋線も飛びたい。ただ、4時間以上のフライトになると子会社のエアアジアXが運航する。今、羽田に就航している会社だ。エアアジア・ジャパンが生まれても、この羽田便は残す。
--太平洋線参入となると、ANAが加入している航空連合にいるユナイテッド航空などと競合します。
それはANAの問題だ。コストがかかるので、航空連合に入るつもりはない。
--東京から成田空港までの交通費が高すぎます。
クアラルンプールでは空港まで1時間かかるが、私たちが提携するバスが4ドル(約320円)で走っている。安いバスや鉄道を探している。実はアイデアがあるんだが、ここで言うと他社にまねされてしまうからね。
--ANAが過半数を出資する会社で、どこまでエアアジアのカラーが出せるでしょうか?
今回の合弁はとてもいい結婚で、長く続けたい。だからANAとは互いに強いところを生かしていきたい。成田の離着陸枠をどう得るかはANAのほうが得意だ。でも、インターネットを中心としたチケット販売やマーケティング、それにLCCの運航は私たちのほうが得意だ。
日本はまだモノの値段が高い。私たちは日本の利用者にもっと多くの選択肢を提供できる。それは大手との競合ではない。これまで航空機に乗らなかった人を機内に迎える新しい需要の開拓なんだ。日本の市場は巨大で、大手もLCCも十分共存していくことができると思う。