準備が調えば、いずれ政府はウイルス流行に対する勝利宣言を行うだろう。今次もまた紛うことなき犠牲者となった中国人は、ウイルスに対する戦勝を、国力を示す慶事と見て諸外国にひけらかすだろう。

 ここまで書いて、私は慚愧と無力を覚える。それは私も私たちの一員であるからだ。この災難が私と私たちに何らかの深い影響を残すなら、明日から始めなければならない。行動を起こさねばならない。自らを救うものは救われる。

○阿坡(A.PO)/一武漢市民。77日間の武漢都市封鎖(ロックダウン)を経験し、この手記を執筆。「阿坡」は本名ではない。全世界に多大な迷惑と災難をもたらした新型コロナウイルスについて、一人の健全な精神を持つ中国人としてお詫びの気持ちを表すために、英語の「apologize(お詫びする)」から取った。全世界の国々が中国からのお詫びを待ったとしても、それが述べられることはない。だか、この名前を用いて手記でお詫びの気持ちを表したいと考えている。

訳:kukui books

AERAオンライン限定記事

暮らしとモノ班 for promotion
大人のリカちゃん遊び「リカ活」が人気!ついにポージング自由自在なモデルも