安倍晋三首相が辞任の意向を固めて28日、首相官邸で会見を開いた。その様子を全文掲載する。

>>『安倍首相辞任会見【全文(3)】拉致問題「私は最善の努力をしてきた」』からつづく

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――通算でも、連続でも歴代最長政権となりました。この間、官僚の忖度や公文書の破棄・改ざんなど、負の側面も問われた。公文書の改ざんを迫られ自殺した財務省職員の遺族はいまも再調査を求め、政権の説明責任を問うている。十分な説明責任を果たせたとお考えか。

安倍首相:公文書管理については、安倍政権において、さらなるルールにおいて徹底をしていくということにしております。また、国会においては相当長時間にわたって、いまあげられた問題について私も答弁をさせていただいているところでございます。十分かどうかについては、国民のみなさまが判断をされるのだろうなと思います。

――総理は自民党総裁であると同時に、党内最大派閥の清和会の実質的なリーダーであると思う。今後の党総裁選では総理の影響が少なからず働く。後任の総裁選びはどのような姿勢で臨むのか。誰かを支援して、一票を投じるのか。もしくは退陣される首相として静観するのか。また総理が取り組んできた憲法改正は支援の条件となるのか。

安倍首相:清和会は細田派でありまして、細田さんが会長でございまして、細田会長のもと、みなさんでどう臨まれるのかというのは政策グループとして議論するかもしれないと、こう思っています。私は総裁はやめていく立場であり、私からなにか次の総裁選に影響力を行使しようということは全く考えておりませんし、そうすべきでもないだろうと。そして憲法については、そもそも憲法改正、また4項目の案、については、党で決めたことでございますので、誰が総裁になられても当然、党として約束をしていることであり、取り組んでいかれるのだろうなと思っています。   

――先ほど「一議員として関わる」と言っていた。「元総理」としてできること、ロシア外交や対中外交ということに今後取り組む意欲はあるか。また、次の衆議院選挙に対する身の振り方はどうお考えか。

安倍首相:今後についてでございますが、なんとか体調を快復するなかにおいて、一議員として活動を続けていきたい、そのなかでさまざまな政策課題の決定に尽力していきたいですし、政権に対しても、当然ですが一議員として協力していきたいと思います。どのようなことをやるかについては、これからまだ先のことでありますが、いままでの経験を生かしながら議員としてできることがあれば取り組んでいきたいと思います。次の衆議院選挙については、これはまさに有権者のみなさまの判断することでございますが、私としては一議員として仕事をしていきたいと思っております。

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