■東京メトロの飯田橋駅も人知れず改良工事を実施

 飯田橋駅の改良工事を実施したのは、JR東日本だけではない。東京メトロも有楽町線と南北線のホームが隣同士にあるため、特にJR東日本の西口駅舎に近い改札口で、混雑による滞留が課題となっていた。それを解消するため、2020年5月17日から自動改札機を移動した上で3台増設した。東西線と異なり、有楽町線と南北線からJR東日本に乗り換えるには、出入り口を出たあと、地上を歩く。

 近年、JR東日本は中央本線千駄ケ谷駅の改良工事が完成し、1番線と2番線は同一ホームから別々のホームに。山手線原宿駅は年輪が刻まれた木造駅舎から、鉄骨の新駅舎に移転。渋谷駅埼京線ホームの移設がそれぞれ実施され、飯田橋駅も含め“使いやすく、利用しやすい駅”に進化している。また、御茶ノ水駅も改良工事中ながら、バリアフリー化、聖橋口の移設などを実施した。

 JR東日本だけではなく、他社線も含めた渋谷駅やその界隈なども含め、激変期が続いている。2030年代に入ると、都心の駅や街の多くは“21世紀色”がますます濃くなりそうだ。(文・岸田法眼)

岸田法眼(きしだ・ほうがん)/『Yahoo! セカンドライフ』(ヤフー刊)の選抜サポーターに抜擢され、2007年にライターデビュー。以降、フリーのレイルウェイ・ライターとして、『鉄道まるわかり』シリーズ(天夢人刊)、『論座』(朝日新聞社刊)、『bizSPA! フレッシュ』(扶桑社刊)などに執筆。著書に『波瀾万丈の車両』(アルファベータブックス刊)がある。また、好角家でもある。引き続き旅や鉄道などを中心に著作を続ける。

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