■想像力で自由になれる
いまは好きなところにも行けないし、好きなこともできないけど、子どもたちに言えることが一つあるとすれば、「不幸な時代だからといってあなたが不幸でいなさいということではないんだよ」ということ。幸せについては『欲が出ました』の本にも書きましたが、実際にいいことがなくても、「幸せの予感」があればどうにかやっていけるものだなあと。楽しいことが起きると思えるかどうか、です。
僕は、つまらないと思うことも考え方ひとつでドラマチックにもなるぜ、と思います。どうでもいいことを面白がることができればつらいことがかなり減ると思うんです。人は想像力によって自由になれるし、たとえ1本の輪ゴムでもいろんなことができる。ただ、その手掛かりを自分で一から見つけるのは難しいので、そのときは周りの大人が「例えばこうじゃない?」「こう考えると面白くない?」っていうきっかけというかヒントみたいなものをあげると、それで子ども側のエンジンが入る。その子の一番興味ある分野で、そのしっぽを見つけてあげられたらいいですね。
あと、子どもたちには、君が怒られるときは、君が悪いときと、単に大人の機嫌が悪いときと2種類あるということも知っておいてほしい。親になって自分の機嫌が悪いから子どもを怒ることがこんなにも多いんだと驚きました。これを知っておけば、だいぶ気持ちが楽になるはずです。
(構成/編集部・深澤友紀)
※AERA 2020年9月14日号
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