食物アレルギーのなかでも怖いのは、アナフィラキシーを起こすようなアレルギーだ。

 アナフィラキシーは、かゆみやじんましんなどの皮膚症状や、くしゃみや鼻水、のどが詰まる感じなどの粘膜症状程度の場合もあるが、急に呼吸が苦しくなったり、フラフラして立てなくなったりすることもあり、重症になると死に至る可能性があるので要注意だ。

 食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、小麦製品を摂取後、数分から2時間以内に激しい運動をすると、アナフィラキシーを生じてしまう。散歩程度でも症状が表れることもあるため注意が必要だ。

 医療機関を受診してアレルギーの診断を受ける場合、まず血液検査で疑わしい食物に対する特異的IgE抗体を調べる。判定がはっきりしない場合や、より詳しい検査を希望する場合は、疑わしい食品を患者が持参し、食物のエキスのついた針を患者の皮膚に刺して、膨疹や発赤が生じるかを調べるプリックテストをおこなう。1ミリの針を皮膚の真ん中くらいまで刺す検査で、痛みはごくわずかだ。

 この結果、アレルギーと判明したら、その食物は摂取しないようにすることが治療の基本となる。

「ただし、同じ食物でも加熱や発酵させれば食べられる場合もあります。同じ食材でもジュースやジャムにしたら加熱してあるので大丈夫とか、ドライフルーツなら大丈夫ということもあります。卵では、生の卵白、ゆでた卵白、生の卵黄、ゆでた卵黄でも反応に違いがあります。子どもは小児科の専門医の指導のもとで、少しずつ食べさせることで治ることもあり、アレルギーの原因を突き止めるのは一筋縄ではいきません」

 食物依存性運動誘発アナフィラキシーの原因食品は小麦が多いが、日本人ではカニやエビなどの甲殻類が3割を占めている。

 血液検査で、小麦とグルテン、オメガ5グリアジンに対する特異的IgE抗体が陽性の場合は100%小麦アレルギーだ。

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そばアレルギーはやっかいな場合が多い