発言の謝罪と辞任を求める署名が多数集まった杉田水脈議員(c)朝日新聞社
発言の謝罪と辞任を求める署名が多数集まった杉田水脈議員(c)朝日新聞社
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作家の北原みのりさん
作家の北原みのりさん

 作家・北原みのり氏の連載「おんなの話はありがたい」。今回は、杉田水脈議員をめぐる対応について。短期間で膨大な数の署名が集まったが、自民党に受け取りを拒否されたという。

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 オフィスで仕事をしていたときのこと。荷物を届けに来た郵便局員の男性が「あそこで仕事してるのは、北原さんですか?」とスタッフに聞いてきたという。意図が分からずスタッフが曖昧な顔で曖昧にうなずくと男性は「杉田水脈氏のこと、妻も私も本当に怒っています。それを伝えて下さい」と言った。その声は私にも聞こえた。ふだんは寡黙な郵便局員の真剣な声が耳に残った。

 また別の日のこと。ふだんは会釈する程度のご近所の人が、「杉田水脈氏のこと、本当に許せない。あんな人が議員なんて本当に恥ずかしい」と声をかけてきてくれた。「署名したいけど、ネットでやり方がわからない」と言われたのでその場で一緒にやってみた。こんなふうに、ふだん話さない人から「私も怒ってます」と声をかけられるのは、初めてのことだ。

 杉田水脈議員の「女性はいくらでも嘘をつける」発言の謝罪と辞職を求める署名が13万6千筆を超えている。杉田議員が発言を認め「謝罪」したブログを投稿した以降も署名は増え続け、全国の性暴力被害者支援団体の賛同も止まらない。謝罪の形式は取っているが、本当には謝っておらず、むしろ性暴力被害者支援団体をおとしめる内容になっているからだ。10月11日には全国34カ所で、花を持って性暴力に抗議するフラワーデモがおきた。杉田議員の発言の残酷さ、暴力性をもうこれ以上許したくないという思いが多くの人を動かしているのだと思う。

 それにしても残念なのは自民党の対応だ。署名活動を始めて3日で8万筆が集まった時点(9月28日)で、野田聖子幹事長代行の事務所に署名を受け取っていただきたいと連絡をした。フラワーデモの呼びかけ人の松尾亜紀子さんが自民党に電話し趣旨を伝えると「杉田議員に直接渡してほしい」と言われたのだけれど、こういう人を公認し、そして差別・暴力発言を黙認してきた自民党に、私たちの声を届けたかった。野田聖子議員が、幹事長代行の立場にいて本当によかったと思ったのだ。ジェンダー問題が分からない、性暴力問題に関心のない議員に手渡すよりずっと声の重みを受け取ってもらえるのではないかと思ったからだ。

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こんな結果はあるだろうか