左からたかまつなな氏、田原総一朗氏(写真提供=笑下村塾)
左からたかまつなな氏、田原総一朗氏(写真提供=笑下村塾)
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対談後のリラックスした表情の2人(写真提供=笑下村塾)
対談後のリラックスした表情の2人(写真提供=笑下村塾)

「朝まで生テレビ!」や「サンデープロジェクト」でテレビジャーナリズムの新たな時代を築いてきた田原総一朗氏。時事YouTuberのたかまつななが、憧れだという田原氏にジャーナリストとしての気構えから、27年間にわたる不倫、亡き妻への愛、そして取材先でのセックスに至るまでを赤裸々に聞いた。

【写真】田原氏が自身の「後継者」と期待しているのはこのジャーナリスト

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――田原さんはタブーにどんどん切り込みますけど、圧力をかけられたりしないんですか?

田原:僕は幸いフリーだから。テレビ局員や新聞社の社員は大変だと思う。何かあれば左遷でしょ。僕にはそれがないから。

――圧力があったかどうか真相は分からないですけど、NHKのクローズアップ現代の国谷裕子さんや報道ステーションの古舘伊知郎さんがキャスターを降板しました。テレビからジャーナリズムがどんどんなくなってきていると思いますが、どうしたらテレビジャーナリズムを取り戻せますか?

田原:たかまつさんがいたNHKは大変だと思う。NHKは受信料を取っていて、その予算を決めているのは国会なんだよね。自民党が多数派だから、自民党に気に入らないことを言ったら予算が取れなくなっちゃう。

――「朝生」が長続きしているのはどうしてですか?

田原:この話が来たのが1986年ですね。僕はその頃、まもなく冷戦が終わって世の中が大きく変わると感じていた。だから新しい時代に挑戦するような番組を作りたいと思った。そこで考えたのが討論番組だった。一本勝負、5時間1テーマでやろうと。しかも命をかけてやる。政治家どうしでやって負けたら政治家生命がなくなる。あるいはジャーナリストでもジャーナリスト生命がなくなる。そういう番組を作ったらどうかと考えて1987年からやることになった。今年で33年目。スタッフと真剣勝負を続けた結果、長寿番組になりましたね。

――“田原さんイズム”を引き継げる環境が、今のテレビにはないように思います。

田原:ジャーナリズムは中立じゃなきゃいけないというのは、冗談じゃない。自分の意見はちゃんと言っていいんですよ。だって世の中に中立なんてありえないんだから。ただ、民主主義として自分と反対の意見もちゃんと提示して認めなければいけない。だから「朝生」もBS朝日の「激論!クロスファイア」も、自民党にも共産党にも出てもらう。司会者であっても自分の意見を持つべきだ。最近は自分の意見を持たない司会者が多いからね。

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後継者として津田大介さんに育ってほしい