「オリエンテーションサイン」として、天井に改札付近のランドマークが映し出された銀座四丁目交差点改札。銀座線は円形である(c)朝日新聞社
「オリエンテーションサイン」として、天井に改札付近のランドマークが映し出された銀座四丁目交差点改札。銀座線は円形である(c)朝日新聞社
丸ノ内線の数寄屋橋交差点改札のオリエンテーションサインは、チェリーレッド(赤色)の三角形。光柱で柱も赤く光っている(撮影/岸田法眼)
丸ノ内線の数寄屋橋交差点改札のオリエンテーションサインは、チェリーレッド(赤色)の三角形。光柱で柱も赤く光っている(撮影/岸田法眼)
日比谷線の中央改札のオリエンテーションは四角形。手前の光柱はシルバーホワイトで光る(C)朝日新聞社
日比谷線の中央改札のオリエンテーションは四角形。手前の光柱はシルバーホワイトで光る(C)朝日新聞社
銀座線100年の歴史がデザインされたホームの壁面(C)朝日新聞社
銀座線100年の歴史がデザインされたホームの壁面(C)朝日新聞社

 東京メトロ銀座駅が開業して86年。2019年度の1日平均乗降人員は25万7440人で、東京メトロの管理駅では4番目に多い。東京を代表する繁華街・銀座への玄関口として、多くの人々に親しまれている銀座駅が大幅にリニューアルされ、大半の部分が完成した。彩りが増した銀座駅を御案内しよう。

【写真】銀座線100年の歴史がデザインされたホームの壁面

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■銀座駅の歴史を振り返る

 銀座駅は東京メトロの前身の東京地下鉄道時代、中央通りの下に建設され、1934年3月3日に開業した。3つ手前の三越前駅に倣い、松屋、三越、松坂屋(2013年6月30日閉店。跡地はGINZA SIXとして、2017年4月20日に開業)の各デパートに直結し、買い物客の利便性を図った。

 その後、新橋延伸や東京高速鉄道(新橋~渋谷)との相互直通運転を経て、1941年7月4日、営団地下鉄が設立され、双方の運行を引き継ぐ。当初、路線名はなかったが、1954年1月20日に丸ノ内線池袋~御茶ノ水の開業を控えていたことから、1953年12月1日に「銀座線」と命名された。

 丸ノ内線は開業後も御茶ノ水から先の建設工事が順調に進み、1957年12月15日、東京~西銀座が延伸された。12月10日に公式試運転を開始してからわずか5日後の開業で、商業施設の年末商戦に間に合わせた格好だ。新設の西銀座駅は数寄屋橋公園の真下に建設されたが、銀座線銀座駅とは直結しておらず、乗換駅とはならなかった。

 その後、銀座駅と西銀座駅の下に日比谷線の銀座駅を建設することになった。銀座線と丸ノ内線をくぐる難工事であったが、1964年8月29日、東銀座~霞ケ関の延伸と同時に開業し、全通。東京オリンピックに間に合わせた。これに伴い西銀座駅は銀座駅に統合され、日本の地下鉄で初めて同じ駅に3つの路線が交わった。

 2004年4月1日、営団地下鉄の民営化により東京メトロが発足。バリアフリー対応などの小規模な整備が行われた。そして2012年12月17日、銀座線開業85周年を機に、「伝統×先端の融合」をコンセプトとした全駅のリニューアルを発表。上野駅、稲荷町駅、神田駅のデザインコンペを皮切りに、車両更新、ホームドアの整備なども含めた、銀座線の大規模リニューアル工事がスタートしたのである。

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