写真=加藤夏子(写真部)、スタイリスト=丸本達彦(UNFORM)、ヘアメイク=猪狩友介
写真=加藤夏子(写真部)、スタイリスト=丸本達彦(UNFORM)、ヘアメイク=猪狩友介
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築130年の家の一室を借りた。床は斜めで窓も閉まらないが、ロンドンらしさを満喫した(写真=本人提供)
築130年の家の一室を借りた。床は斜めで窓も閉まらないが、ロンドンらしさを満喫した(写真=本人提供)
留学中は現地のライブハウスで2人芝居を演じた。演じる中で文化の違いを肌で感じた(写真=本人提供)
留学中は現地のライブハウスで2人芝居を演じた。演じる中で文化の違いを肌で感じた(写真=本人提供)

 今年3月に1年半の留学から帰国したウエンツ瑛士さん。現在発売中の『AERA English2020 Autumn & Winter』では留学への思いや、ロンドンで触れた“生の英語”について話を聞いた。テレビの第一線で活躍するなか、仕事を休み留学した理由とは。

【ウエンツさんがロンドンで撮影した写真はこちら】

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 実を言えば、ロンドンでやりたかったことは英語の勉強でも演劇の勉強でもなかったのだ、とウエンツ瑛士さんは振り返る。

「じゃあなぜ?って聞かれるんですけど、はっきりした理由がなきゃダメなのかなと思うんです」

 学生だったら留学するのに「理由」はいらない。けれどウエンツさんのように、社会で一定の地位を得た人が仕事を休んで留学する場合、人は必ず「なぜ?」と問う。

「1年半も仕事を休むわけですから、会社を説得するだけの理由は用意しました。でも本当は『4歳から働いてきたんだから、少し休んでしたいことをしよう』というだけなんです」

 それでも「ロンドンで一番厳しい」とされる語学学校に留学先を決め、単身日本を飛び立った。

■聞き取れない話せない 最初の数カ月はパニック

 ほとんど英語を話せなかったウエンツさん。語学学校のクラスも一番下。住む家は学校に通いながら探したが、「大変でしたよ~」と笑う。

「不動産会社に行くと『銀行口座がなければ部屋は貸せない』と言われるし、銀行に行くと『住所はないんですか?』と聞かれる。どうすりゃいいんだ~って(笑)」

 そんな日常生活のあれこれは、すぐに親しくなった語学学校の友だちが教えてくれた。

「最初のうちは、英語が母語じゃない人とのほうが気楽に話せました。単語の羅列しかできないイタリア人やロシア人に『おまえの英語はおかしい』と自信満々に言われるんですよ。いや、絶対おまえの英語のほうが変だよって。でも、常に自信満々な彼らのマインドは見習いたいな、と」

 学校生活はハードだった。月曜から金曜まで、毎日5時間の授業と宿題の山。週1回のテスト、月1回の試験。放課後には演劇学校やボイストレーニングの授業もある。時間があくと劇場に通って芝居をみた。「あれもこれも」と思う気持ちに反し、どんどん疲れていく自分に気がついた。

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