宇野実彩子(が新曲「最低な君にさっきフラれました」配信 初のドラマ仕立てMVについて「ケンカのシーンは壮絶でしたね」
宇野実彩子(が新曲「最低な君にさっきフラれました」配信 初のドラマ仕立てMVについて「ケンカのシーンは壮絶でしたね」

 宇野実彩子(AAA)の新曲「最低な君にさっきフラれました」は、恋人たちの別れの場面を生々しく描いたバラードナンバー。本気で愛し、ぶつかり合い、関係が崩れる瞬間までを綴った歌詞は彼女自身が手がけている。ミュージックビデオは俳優の山田裕貴を迎えた、彼女にとって初めてのドラマ仕立ての作品。出逢いから別れまでを逆再生で遡る映像は、映画『新聞記者』『宇宙でいちばんあかるい屋根』などで高い評価を得ている藤井道人が担当した。

 「最低な君にさっきフラれました」は、タイトル通り、彼氏にフラれた直後の感情をリアルに映し出したバラード。まず印象に残るのは、あまりにも赤裸々な歌詞だ。真っ直ぐに恋人と向き合い、別れを受け止めようとする女性の姿を描いたリリックは、大きな共感を集めそうだ。

 「フラれた直後の傷ついた乙女心を、言葉を選ばず、本音を吐き出すように歌詞にして。すごく切ない、心を抉られるようなライブバラードが出来たと思ってます。失恋した直後、まさに彼が部屋からいなくなった時の女性の心って、そんなにきれいなものじゃなくて。ものすごく痛くて、毒も混じってて……。まず、“最低な君”の最低なところと最高なところ、どうして愛してしまったのか、どうして終わりに向かったのかを書き出したんですけど、すごく苦しくて、何回もやめそうになりました。そういう気持ちを歌詞にするのはだいぶ難しかったし、私にとっても挑戦でしたね」(宇野)
 
 震えるような感情を描き出すボーカルも素晴らしい。ピアノ、アコギなどの生楽器の響きを活かしたサウンドとともに広がる繊細な歌声は、シンガーとしての彼女の魅力を改めて伝えていると思う。

 「これまでにたくさんレコーディングしてきましたが、初めてやり直させてもらったんです。繊細なバラードを作りたかったから、アレンジも変えて、納得いくまでやって。コロナ禍でエンターテインメントが難しい状況になっているなか、後悔がないように、自分が伝えたいものを伝えたい温度で作品に残したかったので」(宇野)

 日本アカデミー賞受賞経験のある藤井道人が手がけたMVは、恋人たちの出会いから別れまでを逆再生で遡る構成。藤井監督へのオファーは、宇野自身の希望だったという。

 「藤井監督とはドラマ(AbemaTV『会社は学校じゃなぇんだよ』)でご一緒させてもらって。そのときの映像の雰囲気が“優しい冷たさ”というか、ちょっと闇もあって、それが人間らしいなと思って。この曲をMVで表現するにあたって、キレイ過ぎない人間の表と裏だったり、儚さと体温を感じられる映像にしたかったので、藤井監督にお願いしました。藤井監督とは同じ年で、見てきたもの、共感できるところも多いと思うんですよね」(宇野)

 彼氏役の山田裕貴は、MV出演を依頼されたときの気持ちについて「宇野さんはAAAを通して以前から知っていたし、自分が出ているドラマ(『健康で文化的な最低限度の生活』)の主題歌(ドラマ『Tomorrow』)を歌ってくだったこともあって。MVにガッツリ出るのも久しぶりで、すごく嬉しかったです」とコメント。また2日間の撮影では、「自然な恋愛模様を表現しようと思っていました」という。

 MVのハイライトは、二人のケンカのシーン。生々しい表情とやりとりは、まさに圧巻だ。

 「ケンカのシーンは壮絶でしたね。藤井監督を含めて3人で“ケンカするときって、こうだよね”“取り乱したら、どうなっちゃう?”と話し合って。どういうケンカになるかは実際にやってみないとわからなかったし、撮影中は本当に心がきつくて……。あのシーンは忘れられないし、人生史上いちばんのケンカでした」(宇野)

 「確かにあんなに(感情を)ぶつけ合うことはないかも。15分くらいカメラを回して、それを何回か繰り返したんですけど、設定だけを背負って、自然に出てくる声と言葉を受け取って。あそこで出している声はリアルなケンカのトーンだったと思います」(山田)

 リスナーに対して「曲を聴いてもらって、MVを見ていただいて、失恋を乗り越えるきっかけになったり、これまでの恋愛を思い出してもらえると嬉しいです」というメッセージを送った宇野。『最低な君にさっきフラれました』は20代、30代の女性を中心に大きな反響を集めそうだ。最後に、楽曲の歌詞から感じた二人の“恋愛観”について聞いてみた。

 「“価値観が違う”といわれるのがイヤなんですよ。お互いに歩み寄ることが大事だし、僕が女性とお付き合いするときは、覚悟をしているので」(山田)

 「別れると“こうしておけばよかった”と反省するけど、結局、(次の恋愛でも)同じことを繰り返してしまう。そこが恋愛のイジワルなところだなって思いますね」(宇野)

Text by 森朋之

衣装(山田裕貴)
ニットブルゾン:63,000円(tax out)TOMORROWLAND
シャツ:22,000円(tax out)TOMORROWLAND PILGRIM
パンツ:28,000円(tax out)TOMORROWLAND tricot
シューズ:67,000円(tax out)ADIEU
ネックレス:131,000円(tax out)ALL BLUES

◎配信情報
「最低な君にさっきフラれました」
2020/11/4 RELEASE