過去に“変なトレード”が数多く発生したメジャーリーグ(※画像はイメージ)(C)朝日新聞社
過去に“変なトレード”が数多く発生したメジャーリーグ(※画像はイメージ)(C)朝日新聞社
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 今年は巨人楽天などを中心にシーズン中の積極的なトレードが注目を集めるシーズンとなった。

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 だがチーム、選手の数が日本よりも圧倒的に多いメジャーリーグでは毎年NPBを遥かに超える数のトレードが成立している。数多くトレードが敢行されれば、勝ち組と負け組が生まれ、過去のトレードに対する評価が「たられば」でファンの間ではよく話題となるが、勝ち負けだけでは語れない“変なトレード”もメジャーでは行われてきた。

 トレードと言えば、大前提として選手と選手の間で行われるのが通例ではあるが、選手と監督の間でトレードが起きたのが2002年。指揮官としてトレード要員となった人物は、名将として知られるルー・ピネラ監督だ。

 イチローのメジャー初年度となる2001年には、メジャータイ記録となるシーズン116勝をマークしたチームを指揮するなど、日本でも有名なピネラ監督。マリナーズの他にもヤンキース、レッズで監督を務め、1990年にはレッズを世界一に導いた優勝請負人ともいえる存在でもあった。

 この名将の移籍先となったのは、当時弱小チームだったタンパベイ・デビルレイズ(現レイズ)。チーム力向上を目指し、選手ではなくチームの根幹を司る監督を変えることで強化を図ったというものだ。1998年にメジャーリーグに参入して以来、2002年まですべてア・リーグ東地区で最下位だったデビルレイズは、見返りとして当時チームの主力だったランディ・ウィン外野手を放出している。

 しかし名将といえども、当時のデビルレイズの戦力は立て直すことができないほど絶望的な状況。2003年からの3年間で地区最下位2回に、4位1回と成果は残すことが出来なかったのは言うまでもない。一方、ピネラ監督の古巣マリナーズもウィンの獲得には成功したものの、そこから長いトンネルに入り、2001年を最後に一度もプレーオフに出場できていない。日本でも名監督がチームを去った後に勝てない時期が続くケースは多く、やはり監督の存在は大きいと改めて考えさせられる……。

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選手のトレード相手は“物”?