他にも“変なトレード”が存在する。前述のウィンフィールドの場合もそうだが、メジャーリーグではトレードが成立した際に、片方のチームが獲得する選手が決まってはいるものの、その代わりとしてトレードされるプレイヤーがその後に発表されるケースが多い。

 そんな慣習が生んだ“変なトレード”が起きたのが1987年。当時カブスに在籍していたディッキー・ノールズ投手は、トレードでタイガースへの移籍が決まった。見返りとして放出される選手はその後に発表されることになっていたが、トレード成立後にタイガースは見返りの選手がいないことに気づいてしまうのである……。

 そこでタイガースがとった手段は、トレードで獲得したノールズの見返りとしてノールズを選んだのである。トレードでは度々一方のチームだけが得をして、片方が大損をするというケースがあるが、これほど“イーブン”なトレードは後にも先にもないのではないだろうか。

 この様に長い歴史を誇るメジャーリーグでは、考えられないようなトレードも数多く起きている。日本では今後、選手と物が交換されることはないと思われるが、選手と監督のトレードが仮に発生すれば、プロ野球界は大いに盛り上がるのではないか。(dot.sports)

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