24日、安倍氏は「国会での説明と違う」と詰め寄る記者に対して、「私はもう国会で答弁させて頂いている」と反論。約1分だけ立ち止まりこう答えた。
「告発を受けて、事務所として全面的に協力している。まだ途中の経過だから、今の段階ではお話しすることは控えたい」
この疑惑が噴出する4日前の11月19日。安倍氏の姿は東京・赤坂の「明治記念館」にあった。ある女性実業家の出版記念パーティーに昭恵夫人と参加していたという。出席者の1人はその時の様子をこう語る。
「女性実業家は昔から昭恵さんが懇意にしていた方で、晋三さんは急きょ、昭恵さんに呼ばれて出席したようです。昭恵さんはファーストレディーの重圧から解放されたからか、とてもはつらつとして昔に戻っていました。最近では、経営している居酒屋『UZU』にも顔を出し始めたようです。晋三さんも体調はよさそうでスピーチでは『総理大臣の時よりも、暇になりましたので』などと言って笑いを誘っていました。暇だと言いながら食事にも手をつけずに出て行ったので、変わらず忙しくしているようでした。晋三さんはこうした会合にも嫌な顔をせずに出席するように、支援者をとても大切にする人なので、(費用の補てんは)そうした思いが行き過ぎた結果かもしれません」
朝日新聞などによると、補てんを認めた関係者は、安倍氏が国会で事実と異なる答弁をしていたことに対して「当時、秘書が安倍首相に虚偽の説明をしていた」と話したという。昨年の国会答弁前に安倍氏が秘書に「事務所が(一部を)支出していることはないか」と確認すると、秘書は「払っていない」と虚偽の説明をしたとする。この証言が真実かはわからないが、安倍氏と学生時代の同級生でもある友人の1人はこう語る。
「安倍くんは、新人議員の頃に『選挙区ではビール1杯をごちそうになるだけでも違反になる』と言っていたくらいお金には敏感な政治家でした。友人同士の飲み会でも、お金の貸し借りを作るようなことはしません。そうした意識を持って政治家をやってきた人間なので、自分から(秘書に費用の補てんを)指示することはないと思います」