コロナ専用病床では中等症、重症問わず通常の病床よりも多く看護師が必要になる。コロナ以外の診療も続けつつ、感染患者も診なければならない。医療機関が単純にコロナ病床を増やせないのは、こうした事情もあるという。
日本看護協会は、第3波に向けた対策の一つとして、近く看護職の相談窓口を設ける予定だ。4月20日からの約1カ月間も同様の相談窓口を設けており、800件を超える相談が寄せられた。うちメンタルヘルスの相談は70件弱で、「給与やボーナスが減額された」「誹謗(ひぼう)中傷がいまだになくならない」「世間がGo Toで楽しんでいるのに自分たちは旅行や会食さえできない」といった声があったという。協会の福井トシ子会長は、次のようなメッセージを出した。
「日本の医療現場は、看護職の献身的な努力と使命感で持ちこたえています。医療が崩壊すれば救うことのできる命も助からなくなります。看護職をはじめとする医療従事者を物心両面から支えてください」
コロナの収束の先行きがまったく見えない中、「最後の砦(とりで)」となる看護師を守るための方策は必要だ。看護師のKさんの言葉を最後に記す。
「防護具を着ていると、『そんな格好で、よくがんばっているね』とか、『無理しないでね』とか言われることがあります。そういう言葉に励まされて、今日もがんばろうって思います」
(本誌・山内リカ)
※週刊朝日 2020年12月11日号より抜粋