■聡明(そうめい)さと人柄で皇女の王道を歩む/黒田清子さん(51)
聡明さと穏やかな人柄から、政府で「女性宮家」や「特別職の国家公務員」制度の創設議論が起きるたびに、「清子さんに民間から公務をサポートしてほしい」との声が絶えなかったのが、上皇夫妻の長女・黒田清子さん(51)だ。
05年、東京都庁に勤めていた黒田慶樹さんと結婚。豊島区にコンシェルジュ付きの高級マンションを2人の共同名義で購入。支払いも折半で、清子さんは一括で支払う半面、黒田さんはローンを組むなど夫妻らしい堅実さをにじませた。
清子さんは伊勢神宮祭主として兄である令和の天皇を支えつつ、鳥類学者としての研究も続け、夫と平穏な日々を送る。優等生的“元皇女ライフ”を送る一人である。
昨年、令和の新天皇が即位の礼と大嘗祭(だいじょうさい)を終えたことを伊勢に報告する「親謁(しんえつ)の儀」の際は、伊勢神宮祭主として兄夫婦を出迎え、儀式を支えた。
三重県にある伊勢神宮の祭主は、古代から天皇家の女性が務めるのが習わし。17年に、昭和天皇の皇女だった池田厚子さんから神宮祭主を受け継いだ。
祭主は、天皇の代理として伊勢神宮に赴き、10月の神嘗祭など毎年、五つの大祭をつかさどる重要な役目を担う。東京と伊勢を行き来する生活だ。
鳥類学者としての顔も健在だ。いまは玉川大学教育博物館で外来研究員として勤務。昨年は、東京芸術劇場(東京都豊島区)で開催された特別展「ジョン・グールドの鳥類図譜」を企画した。会期中のパネルディスカッションでは、パネリストとして参加し、独自の見解を述べるなど、上皇さま譲りの学者としての一面をのぞかせた。上皇ご夫妻を案内するほほえましい場面もあった。
「黒田さんは、月に3回ほど、研究のために通っています。新型コロナで博物館も閉鎖されていましたがこの秋からは、勤務も再開なさっています」(同博物館担当者)
結婚前に研究員として勤務した山階鳥類研究所でも研究を続け、論文も執筆している。
皇女時代から、気取らない人柄だった。バードウォッチング時は、兄の秋篠宮さまらのお下がりのジャンパーを着て、皇居の庭で双眼鏡を握りしめていた。いまも、ズボンにジャンパーやパーカーをはおり、首には双眼鏡、がウォッチング時の定番スタイル。皇居で観察し、そのままご両親の住む御所に寄ることもあったという。
気さくな人柄は近所のスーパーの買い物客の目撃談からも伝わる。
「パンコーナーで4枚切りの食パンに同時に手を伸ばした女性の顔を見たら、黒田清子さん。ビックリしました」(50代女性)
清子さんは、京都の帆布カバンのエコバッグを手に、デニムのパンツ姿という質素ながらも品のいいスタイルであった。
眞子さまに待ち受けている結婚後の未来も、どうか穏やかな人生であってほしい。 (本誌・永井貴子)
※週刊朝日オンライン限定記事