――では、逆にどうなれば娘をあびるさんに会わせようと思えますか?
まずはお酒を断つこと。それを数カ月でも1年でも継続してほしい。彼女は、妊娠中も育児中も飲酒や喫煙を続けていたので、よほどの覚悟をしないとできないと思います。母親なのだから娘に会いたいという気持ちは心から理解できます。でも、そのときの気分で、「会いたいから会いに行こう」と軽率に行動を起こしてほしくない。彼女が娘を学校から無断で連れ去った日の夜、娘が急に起きだして涙を流しながら私に抱き着いてきたんです。これは元妻だけでなく私の責任でもありますが、離婚直後の娘は母親と別れたばかりで不安定な状況にありました。ようやく笑顔をみせるようになってきていたのに、また振り出しに戻ってしまった。
――なぜ離婚後、あびるさんは親権者の変更を申し立てたのでしょうか。
そもそも離婚したときには、私が親権を持つことに彼女は同意していたんです。なぜ突如として不服を申し立ててきたのか、その真意はわかりません。一時は娘と別れてから、「やっぱり一緒に暮らしたい」「自分が娘を幸せにしたい」と心変わりしたのかなと思っていました。でも離婚後の彼女の言動を考えると、本気でそう考えているようには思えません。私が知っている彼女のままであるなら、その時の気分次第で行動を起こしているようにも思えます。こうした状況にしてしまった責任は私にもありますが、いまの状況で、娘にとって現実的なベストの選択肢を選びたい。そのために元妻には我慢するべきところは我慢してほしいです。
――最後に、あびるさんに伝えたいことはありますか?
娘にとっての彼女は何があろうと母親です。その事実は変わりません。でも娘を無断で連れ去るほど会いたかったのなら、その日くらいはインスタント食品ではなく、手料理をふるまってあげてほしい。その他にも、細かいことやいま話すべきではないことを言い出すときりがありません。要約すれば「母親になってほしい」というのが一番シンプルな願いです。
インタビューの最後に「本当に疲れました……でもあと少し。頑張ります」と、やや疲れた表情ながら笑顔を見せた才賀。12月13日には、東京・両国国技館で開催される「K-1 WORLD GP 2020 JAPAN」への参戦が決まっている。取材後、あびるの事務所へ事実関係の確認を求めたが、期日までに回答はなかった。
(AERA dot.編集部)