アンチエイジングに詳しい名医が、老いや病気を遠ざける食事や食べ方、食生活の極意を伝授する。東海大学医学部抗加齢ドック教授で、内分泌・糖尿病の専門医でもある、久保明医師はこう言う。

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 老化のプロセスとして「酸化」ばかり注目されてきましたが、最近は「糖化」がクローズアップされています。糖化とは、私たちの体を構成するたんぱく質と過剰な糖が結びつくこと。糖化すると血液中に老化促進物質であるAGE(終末糖化産物)がたまっていきます。酸化が体のサビなら、糖化は体のコゲと思えばわかりやすいですね。

 このAGEがくせ者で、受け皿であるRAGEという受容体に結びついて細胞の炎症を起こして、体の機能を低下させたり、動脈硬化から心筋梗塞や狭心症、脳梗塞の要因になったりします。AGEが増えると糖尿病にもなりやすくなり、その合併症で血管や眼、神経までボロボロに。骨粗鬆症や肌トラブルも引き起こします。

 若々しく健康でいるにはAGEを増やさない=抗糖化が不可欠です。まずは食生活から見直していきましょう。

 春先は送別会などで外食の機会が増えますよね。もし、悔やむほど食べすぎたら、1週間かけて緩やかに糖の調整をしましょう。極端な制限は逆に体に悪影響を及ぼします。「週に1度だけ○○する」という食べ方も効果的。「野菜デー」や「減食デー」を作ったり、大好きなケーキは週1のお楽しみにするなど、これまでの食生活を1カ所変えるだけでもいい。無理せず長続きさせるのが何より大事です。

週刊朝日 2013年3月15日号