左から生活クラブ東京の増田和美・理事長、生活クラブ神奈川の桜井薫・副理事長、GFAの鈴木伸予・事務局長、半澤彰浩代表理事/東京・人形町のGFA東京オフィスで(写真:菅沼栄一郎)
左から生活クラブ東京の増田和美・理事長、生活クラブ神奈川の桜井薫・副理事長、GFAの鈴木伸予・事務局長、半澤彰浩代表理事/東京・人形町のGFA東京オフィスで(写真:菅沼栄一郎)
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 秋田県にかほ市に建つ市民風車「夢風」は、首都圏4都県の生活クラブ生協の組合員からの寄付を得て建てられたものだ。首都圏に毎年1300世帯分の電力を届けるが、それだけでなく、寄付をした首都圏の人々とにかほ市民との交流のきっかけにもなっている。今春には2基目の建設も決まったが、一方で課題もあるという。AERA 2020年12月28日-2021年1月4日合併号で取り上げた。

【前編/秋田県にかほ市に建つ“特別”な風車「夢風」 電力とともに地域と首都圏の交流も生み出す】より続く

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 今春、待望の「2基目」の建設がようやく決まった。予定地は夢風を見下ろす山の中腹だ。

 しかし、問題は残っている。16年に東北電力は「北東北3県(宮城県の一部を含む)送電線の空き容量がゼロ」と公表、それを解消するためとして、系統増強工事を13年かけ、総額2千億円の費用で進めるとした。その費用を負担しなければならないのだ。

 負担金は出力量によって案分され、夢風を運営する一般社団法人「グリーンファンド秋田」(GFA)に示された負担、系統連系契約は6千万円余に膨らんだ。夢風を建設する際には、300万円足らずで済んだのに、だ。GFAの鈴木伸予・事務局長は言う。

「送電線は東北電力の所有です。その増強工事代をなぜ、我々が負担しなければならないのか。私たち送電線の使用者は、毎月電気料金の約3分の1に上る高額の使用料(託送料)を支払っているんですよ」

 GFAの半澤彰浩代表理事も首をかしげる。

「そもそも、本当に空き容量はないのでしょうか。原発の再稼働や火力発電所の新設に備えた言い訳じゃないのかな」

 半澤氏がそう考えるのには、根拠がある。17年当時、京都大学再生可能エネルギー経済学講座の安田陽、山家公雄の両特任教授が、電力広域的運営推進機関(広域機関)の公表データ(16年9月~17年8月)から、1年間に基幹送電線に流せる電気の最大量と実際に流れた量を比較した。東北地方の14の基幹送電線を調べたところ、実際には2%~18.2%しか使われていない、という分析結果が出たのだ。

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