今季でプロ11年目となる日本ハム・斎藤佑樹 (c)朝日新聞社
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 日本ハム・斎藤佑樹はなぜ現役にこだわるのか?

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 アマチュア時代の栄光はすでに色褪せたと言ってもいい。『ハンカチ王子』の呼称すら今や完全に過去のものとなった。今オフには、シーズン中に右ひじ靱帯を断裂していたことを明かすなど、満身創痍の状態だ。しかし2021年も契約を結び、復活を目指すと言う。一部のファンを除き、周囲からは批判や雑音しか聞こえてこない。

「日本ハムという球団が本当に信じてくれて、待ち望んでくれている、結果を。そういう意味では、来年で11年目ですけど、必死に頑張るしかないのかなと思います。客観的に見ても、立場として……普通ならあり得ない。(中略)最後まで自分のやらなくちゃいけないこと、目の前にある野球に対して、真摯に取り組まなきゃいけないと思いますね」(12月30日付・日刊スポーツ)

 昨年末、独占取材記事が掲載された。内容を見る限り、置かれた状況を自身では客観的に把握している。在籍させてくれる球団への義理を果たすため、できることに注力する覚悟だと言う。撮り下ろし写真は、靭帯断裂からの復帰を目指す投手とは思えないほど、清々しいものだった。

「自分自身の状況と置かれている立場を、ちゃんと把握しているつもり。ただ、それでもやっぱり『野球はやりたい』という気持ちが強かった」(斎藤)

 12月9日、日本ハムでのプロ11年目が決定した。今年で33歳になる右腕はファームでの生活が長く、ネット上などでは2軍の本拠地がある場所から、“鎌ヶ谷の主”などと呼ばれている。今季はプロ10年目で初めて1軍登板なしに終わり、3年連続で未勝利。2軍戦でも19試合に登板して1勝3敗、防御率9.31の結果に終わった(19回1/3を投げ、打者103人、被安打29、被本塁打4、19与四死球、11奪三振、自責点20)。

「数字が表しているが、投球内容が悪過ぎる。もともと球を動かして打者の芯を外す投球スタイル。だが真っ直ぐだけでなく、全ての球速、球威がない。打者は手元まで引き付けて打ち返せるので、打撃投手と同じような感覚で打てる。2軍でここまで酷ければ、1軍なんて口に出すこともはばかられる。特に夏場以降は酷い状態だった」(在京球団スコアラー)

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