ブルージェイズ時代の2017年に38本塁打を放ったジャスティン・スモーク(写真/gettyimages)
ブルージェイズ時代の2017年に38本塁打を放ったジャスティン・スモーク(写真/gettyimages)
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 いまだ去就が不透明な選手は数人いるものの、2月1日のキャンプインを控えて各球団の陣容はほぼ固まったと言えそうだ。2021年のシーズン開幕に向けて戦力を上積みすることができたのはどのチームなのか、占ってみたいと思う。なお、ルーキーに関しては今年一軍の戦力になる可能性が高い選手のみをピックアップした。また診断はA、B、C、Dの四段階評価で、あくまでもこのオフに加入した選手が今年一軍戦力になるかという点を評価基準としている。今回はセ・リーグ編だ。

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■巨人:A

・主な新戦力
ジャスティン・スモーク(新外国人・内野手)
エリック・テームズ(新外国人・外野手)
井納翔一(DeNAからFA移籍・投手)
梶谷隆幸(DeNAからFA移籍・外野手)
平内龍太(ドラフト1位・投手)
伊藤優輔(ドラフト4位・投手)

 リーグ連覇を達成しながら日本シリーズでは、2年連続で4連敗を喫したこともありこのオフは積極的な補強に動いた。FAでともにDeNAから井納と梶谷を獲得。井納は2年連続で負け越してはいるものの先発として試合を作る力はまだまだ健在で、菅野智之以外は確実に計算できる投手がいないだけにありがたい存在となる。梶谷も故障の多さと調子の波はあるものの、外野の層が厚くなったことは間違いないだろう。

 更に新外国人でも実績のある野手2人を獲得。スモークは2017年にメジャーで38本塁打、90打点をマークしてオールスターにも出場した両打の長距離砲。テームズも韓国プロ野球(KBO)で実績を残した後にメジャーに復帰し、2017年に31本塁打、2019年には25本塁打を放つ活躍を見せている。ともに三振が多く確実性の低さは気になるものの、6番、7番あたりで長打力を発揮する役割を果たせば大きな得点力アップに繋がるだろう。

 ルーキーでは平内と伊藤の2人を挙げたが、ともにスピードはあるものの制球力は不安が残るだけに、2年目からの戦力と考えておいた方が妥当かもしれない。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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