放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、東京オリンピック・パラリンピックの開催について。世間で消極的な意見が多くを占める中、IOCや政治家からは大事な部分の説明がないと感じている。
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ここ数週、東京オリンピック・パラリンピックについてのニュースが多くなってきた。
国内外、色々な人が「前向き」な発言をしているのだが、ああいう発言を見るたびに、不安な気持ちになる人は少なくないはずだ。
今、日本の各地で緊急事態宣言が出されて、世界ではコロナが減速してくれる空気がそんなにない中で、何を根拠に「問題がない!」「開催はできる!」と言い切っているのか?分からないからだ。
もちろん「ワクチン」に期待してるのかもしれないが、「不安がない」とか「絶対にやる」と言い切れば言い切るほど、そこに国民は「怪しさ」を感じて、不安になっていくのをなぜ理解してくれないのかと思う。
昨年の12月15日のニュースであった、NHKの世論調査。東京オリンピック・パラリンピックを開催すべきかどうか?の調査。結果は、開催すべきが27%、中止すべきが32%で、さらに延期すべきが31%だった。
つまりは国民の6割以上が今年の夏の開催は否定的なわけです。
これは1カ月以上前の調査で、今、調査したらこの結果は違うと思う。僕個人の意見だが、消極的な意見が増えているのではとは思う。
僕は「開催しない方がいい」と言いたいのではない。政治家の方、IOCの方々が、国民の感情がこういう状態なのにも関わらず、そこを見て見ぬフリして「開催する」と言ってるような気がするからだ。
例えば、首相でも都知事でもいい。「最新の調査だと、60%の以上が、否定的な考えであることがわかりました」と、それを認め、理解してる上で、なぜ、今年の夏に東京オリンピック・パラリンピックをやるべきなのか?を丁寧に説明してくれたらいいのになと。
なんか大事な部分の説明がないんだよなー。