Jリーグ・ベガルタ仙台は経営難で昨年9月からクラウドファンディングによる募金活動を開始。しかし所属選手が暴力事件を起こしたため、10月に中断した。同クラブは経営難が続いており、経営陣の入れ替えも含めて大きな岐路に立たされている。

「プロとしての在り方が問われている。コロナ禍だけではなく、プロ選手、球団は少しファンを蔑ろにし過ぎている。もちろん人間だから聖人君子ではいられない。常に完璧である必要もない。しかし自分の給料を払っていただいているのだから、それ相応の行動は必要になる。ファンは何のためにお金を払ってくれるのか?好きな選手、チームためには何だってする。お金だって出してくれる。だからこそがっかりさせて欲しくない」(全米在住スポーツライター)

 地上波放送(=無料)の減少が叫ばれるが、ファンは贔屓チームの試合を見るために、ネット配信やCS放送にもお金を出している。コロナ禍で入場制限があった昨シーズンも、全試合満員とは行かないまでも多くのファンが球場へ足を運んだ。

 ファンはプロ野球を欲しているが、それに対してプロ側(主に一部選手)は甘えていないだろうか。「黙っていても球場に来てくれる」と思っていないか。もっとできることはあるのではないか。

ロッテはファンと共闘しているイメージが強かっただけに、対応の稚拙さに唖然とした。シーズン中に起こったコロナウイルス集団感染。今年に入って発覚した主力選手のコロナウイルス感染を含む不倫騒動。それらに対して、すべてが後手後手を踏んでしまっている。『ファンは家族と同じ』という意識があれば、素直に事情を話してまず謝るのが最初。個人差もあるだろうが、誠実な姿勢は伝わるはず。このような対応では信頼は生まれないしお金は落としてくれない」(大手企業PR危機管理担当者)

 ロッテのサービスは球界随一。球場改革に真っ先に乗り出し、スタジアムグルメなども充実。ファンの心をくすぐる演出を連発するとともに、グッズのクオリティの高さも抜けていた。セ・リーグ球団のファンも「交流戦で千葉へ足を運びたい」と口にするほど。当然、ロッテファンは球団に対する強い愛着を持っていたはずだが、立て続けの事件で一部メッキが剥がれてしまったように思える。

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「ファンを甘く見ないことです」