巨人時代の山口俊 (c)朝日新聞社
巨人時代の山口俊 (c)朝日新聞社

 メジャー2年目を迎える予定だった山口俊。待っていたのは予想されたシナリオでもあった。

【写真】現役時代の新庄氏がヒットを1本も打てなかった投手はコチラ

「今年は結果を出すだけです」の強気コメントも束の間、渡米早々の12日(日本時間13日)に所属するブルージェイズから自由契約となった。もともと10日(同11日)に40人ロースターから外す手続きがされており、事実上の戦力外となっていた。

「今後の野球人生で、自分にとってすごくプラスだったのかなと感じてます。無駄な1年じゃなかった」(山口/昨年12月26日)

 メジャー1年目は新型コロナ禍の中での難しいシーズンを何とか乗り切った。オフにはテレビ番組、各種イベントにも数多く出演、手応えと自信を語っていたほど。満を持しての2年目のはずだったが、待っていたのは厳しい現実だった。

「報道が出ましたが僕は元気ですよ。これからどうなるかは、まだわからないですが、自分の選択に後悔、悔いが残らないようにチャレンジして行きます。まずはいつでも100%で動けるように調整するだけ!!」(山口本人インスタグラム・ストーリー/2月12日)

 昨季は17試合に登板して、2勝4敗1ホールド、防御率8.06の成績。シーズン途中には安定した投球を見せていた時期もあったが、結果を見る限り戦力として計算できるものではなく、2年総額635万ドル(約6憶7000万円)プラス出来高という契約内容に沿えるものではなかった。

巨人のエースという触れ込みで大きく期待されていたが、フタを開ければこの状態。コロナ禍で各球団、経営状況が悪化している中、残額の今季年俸317万5000ドル(約3億3000万円)を払ってでも契約解除したかった。戦力と見なされず、これ以上は投資できないという判断」(スポーツ新聞MLB担当記者)

 シーズン後半は炎上する場面が目立ったが、特に酷かったのが9月15日(同16日)、ニューヨークでのヤンキース戦。2回途中からマウンドに上がり、5連続で四死球を与えるなど1回1/3を投げ、2安打6四死球7失点を喫した。メジャーの聖地の1つでもあるヤンキースタジアムで醜態を晒してしまった。

次のページ
失敗のレベルは“井川級”?