![蛭子さんの作品「躍りましょう」](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/e/0/840mw/img_e00fd6cbc286ad77e3e44ed7a32bbe2e74728.jpg)
森永:人柄がいいので、共演者に好かれるんです。遅刻もしません。いつも腕時計を5分早めています。「一緒にロケする人の名前を忘れちゃいけない。失礼だから」って、ギリギリまで確認する。このあたりは、認知症になる前もなってからも変わらないですね。
――タレントの有吉弘行さんが「認知症だからって、テレビに出ちゃダメなのか」と局に掛け合ってくれたり、司会の東野幸治さんが持ち味を引き出してくれたり、テレビ出演の依頼は続く。
森永:最近、絵のタッチが変わったんです。前衛的になったんですよ、ピカソみたいに。
悠加:ゆくゆくは展覧会もしてみたいと、絵を描きためています。
――「PLAN75」を観た悠加さんは年齢的に死を身近に感じるようになったこともあり、最初の場面からずっと涙が止まらなかったという。
悠加:認知症の人が外出するときは、どうしてもサポートする人が必要です。そんなとき、家族だけでなく、さまざまな人と助け合える社会になるといいなと思います。
蛭子:死ぬことは一番嫌い。何の儲けもない。社会は年々変わっていくんだから、何とかなると思うな。
![映画「PLAN75」(2022年6月公開、早川千絵監督) 社会保障費が政府の財政を圧迫し、少子化と超高齢化が同時に進み、働き手が高齢者を支えきれず医療保険と介護保険が破綻寸前になった。そこで、国が「プラン75」という、75歳以上には自らの最期を選ぶ権利を認め、その意思を支援する制度を始めた近未来を描く。 78歳の主人公・角谷ミチ(倍賞千恵子)は夫と死別し、仕事をしながら一人で暮らしてきた。しかし、友人を亡くし、職場を追われ、家も失うことに。失意の中、次第に「プラン75」に引き込まれ、申請する。制度を支えるために働く若手と当事者の高齢者は、それぞれどのように考えて生きていくかをリアリティーあるフィクションで描く。(2月17日からPrime Videoで独占配信)(c)2022『PLAN75』製作委員会/Urban Factory/Fusee](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/a/6/723mw/img_a6550d768230d6a2cd8ced2394bc0aac91086.jpg)
(医療ジャーナリスト/介護福祉士・福原麻希)
※週刊朝日 2023年2月10日号
![](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/2/c/120m/img_2c2151530ec9e64a6cace9d04c8e49f7696508.jpg)