林:ご両親、センスありますね。私、「麦」っていう人に会ったの初めてですよ。

門脇:私もまだ会ったことないですね。ワンちゃんとかではいるみたいですけどね。柴犬で「麦」って(笑)。母が小学校のとき、「麦子ちゃん」だか「小麦さん」だったか、そういう名前の方がいて、「麦って名前、カワイイな」とずっと思ってたというのが、「麦」ってつけたきっかけの一つみたいです。

林:麦ちゃんは、小さいころアメリカにいらしたんですね。

門脇:生まれて5歳ぐらいまで、アメリカでしたね。

林:そのあとクラシックバレエを習って、かなりいい線まで行ったんでしょう?

門脇:うーん、ただ、私がやってたぐらいの線まで行く人は山ほどいるので、いい線と言えるかはわかりません。でも、プロになろうと思って真剣に取り組んでいました。

林:プロのバレリーナを目指していた女優さんって、意外と多いですよね。

門脇:そうですね。蒼井優さんとかマイコさんもそうですし、石橋静河ちゃんとかも。

林:バレエから女優さんに転身したのがいくつですか。

門脇:バレエは14歳ぐらいまでやってたんですけど、厳しいスクールに通ってたおかげもあって、自分がプロになれる人間かそうじゃないかを察知できる瞬間がたくさんあったんです。もともとの身体的な能力もそうですし、自分の成長具合とかを見て、プロになるのは難しいなと思いました。子どものときから、やりたい目標があるというのがあたりまえだったので、早く次にやりたいことを探さなきゃと思ってました。

林:ふつうの学生に戻ろうとは思わなかったんですか。

門脇:まったく思わなかったですね。部活も入るつもりはなかったです。私はバレエで挫折してしまったという気持ちが強くて、早く「何者か」になりたかったんですね。周りの子が海外に留学に行ったり、バレエ団に所属したりする姿を見て、自分だけ取り残されてるようなあせりがありました。そんな中でミニシアターの映画とかを見るようになって、私と同い年ぐらいの女優さんが仕事してるのを見て、「芸能界ってこんなに若いときから仕事ができるんだ、私も早く仕事をしたい」と思って、事務所に履歴書を送り始めたんです。

林:その「何者か」が女優さんだったんですね。歌手とかコンテンポラリーのダンサーじゃなくて。

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