AERAの連載「はたらく夫婦カンケイ」では、ある共働き夫婦の出会いから結婚までの道のり、結婚後の家計や家事分担など、それぞれの視点から見た夫婦の関係を紹介します。AERA 2021年3月1日号では、僧侶の扉野良人さん、妻で子どもの本専門店・店長の鈴木 潤さん夫婦について取り上げました。
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2009年、夫38歳、妻37歳で結婚。長男(11)、次男(7)とお寺に暮らし、夫の両親と住む。
【出会いは?】妻が働く本屋と縁の深い故・今江祥智氏(児童文学作家)に、妻が「面白いお寺に連れていってあげましょ」と言われ、訪ねたのが夫の実家の徳正寺だった。
【結婚までの道のりは?】子どもの詩の投稿誌「きりん」(尾崎書房・日本童詩研究会)の作品を夫が本にまとめようとしていると知り、妻が興味を抱く。夫が妻の家でご飯を食べるようになり、一緒に住む。長男が生まれるのを機に結婚。
【家事や家計の分担は?】食事は基本的に妻が作り、時々夫が担う。妻の出張時、夫が息子2人と、山盛りの唐揚げを台所で立ち食いしたりするスタイルの「男子食堂」を開く。財布は大まかに一緒。
夫:扉野良人[49]
僧侶
とびらの・らびと◆1971年、京都府生まれ。多摩美術大学卒業。文筆家、詩人としても活動し、アマチュア出版「りいぶる・とふん」を主宰。書物雑誌「sumus」同人、美術同人誌「四月と十月」に属す。2019年12月に徳正寺18代目住職を継職。著書に『ボマルツォのどんぐり』など。本名は井上迅
潤と一緒に暮らしていると、よく近所の人や友達が食べ物を持ってきてくれるんです。食を引き寄せる力が潤にはあると思う。それは生きる上で大事な能力。僕たちの分け合い支え合う関係が家の中にも外にもある。動物的ですね。僕も出会った当初は、猫が迷い込むように潤の家にいた(笑)。ここにいてもいいよ、いいんだと互いに認め合える関係が家族になっていくんじゃないかな。