あれから28年。松本さんは視聴率、そしてテレビをどう思っているのだろう。
「僕はずーっと視聴率を否定してきました。世帯視聴率のことですけど、それでは本当に面白いものを求めている若い人たちがテレビを見なくなるよって。最近やっと別な数字も注目されるようになってきたけど、連載でもずっと書いていて。何年前から言ってるんだってことですよね」
だからお笑いについては先を読む力があったということだし、「権威」でしょうね。そう言ってから、こう続けた。「もっと前にテレビは気づくべきやったけど、もう手遅れでしょうね。こうやってユーチューブにとられていってるわけですから」
10年、15年前に「コア(13~49歳)視聴率」の大切さに気づいていればよかったけれど、もう手遅れでしょう、と言ったあと、こう付け加えた。「最近は、じいちゃんばあちゃんの見るものも必要やろって、そういう感覚も出てきてるんです。僕もそっちに入りかけてるんで。ダブルスタンダードというか、世帯とコア、両方の視点が必要なんじゃないかと思います」
(矢部万紀子)
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※週刊朝日 2021年3月5日号より抜粋