「スキャンダルがあってしばらくは外に出なかったので、お酒からは離れていました。ただ、少し落ち着いてからは、また飲みの場に行くようになってしまった。仕事が減ったストレスをお酒にぶつけるようになり、週5で記憶を飛ばしていた時期もありました」
テレビのオファーもなく、飲むことが唯一の楽しみだった。夜ご飯を終えれば店に行き、朝9時頃まで飲み続ける。夜まで寝て、また飲みに行く。そんな毎日を過ごしていたという。
あるとき、飲みすぎて仕事を飛ばしてしまったことがある。
「午後からレッスンがあるのに12時くらいまで飲んでしまって。自分では起きられると思っていたけど、無意識にアラームを止めていたみたいです。携帯の電源も切れていて、連絡がつかない。すごく心配をかけてしまいました」
当時のマネージャーには、「今後どうしていくのか自分で考えるように」と突き放すように言われた。ひたすら謝り続けた。
お酒をやめようと考えたことはあったが、「飲みの場に行かない」選択ができなかった。そこに行けば常連の誰かがいて、楽しい時間が確約されている。峯岸さんにとって、生きがいのようになっていた。
■両親の存在に救われた
実家に帰ったとき、「飲んでばっかりでヤバい」と親に愚痴ったことがある。
「それを言うことで、まだ本当にヤバいところまでは行ききっていないって思いたかったのかもしれません。自分のエゴですけど、両親が突き放すことなく話を聞いてくれたことが救いになっていたような気がします」
それほど「お酒の場」に依存していたという峯岸さんだが、どうして今回は禁酒を達成できたのか。
「卒業するまで飲まないという目標ができたのが大きかったです。歴代のすっごい素敵な卒業をいっぱい見届けてきたので、自分もきれいな姿でみんなに祝福されてAKB48としての活動を終えたかった。卒業発表したことで責任や目標が生まれて、『お酒の場の呪縛』から解放された気がします」
禁酒宣言をした当初は、峯岸さん自身も周りも「本当にやめられるのか」と半信半疑だった。ただ、事務所の人がすごくうれしそうだったことは覚えているという。
コロナ禍での公演延期もあったが、宣言通り539日の禁酒を経て、21年5月にAKB48を卒業した。その後飲酒は再開したが、食事とあわせて嗜んだり、海外旅行でその地の有名なお酒を楽しんだり。以前のような飲み方はしなくなった。
「きっと誰だって、最初は自分が依存するなんて思っていないと思います。いつなくなっても大丈夫というくらいの気持ちだったのに、いつの間にかやめられなくなって、それに自分でも気づいていないことってあるじゃないですか。私もそういう感じだったのかもしれません」
(編集部・福井しほ)
※AERA 2023年2月6日号