東尾修
東尾修
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4勝した2018年シーズンの大谷翔平。今季、「二刀流」復活が期待される (c)朝日新聞社
4勝した2018年シーズンの大谷翔平。今季、「二刀流」復活が期待される (c)朝日新聞社

 西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏は、エンゼルス・大谷翔平選手の二刀流の復活に期待を寄せる。

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 DeNAのソト、オースティンら今季の外国人10選手が、開幕時に不在となることが確実になったという。三浦大輔新監督にとっては、開幕から外国人選手抜きの戦いを強いられる。特に打線の中核を予定している2人がいないのは痛い。

 開幕してからもいつ外国人の新規入国が再開されるかなんて、わからない。故障やアクシデントならあきらめもつくが、こういった形で戦力差がついてしまうのは、ファンの方々にしても、やるせない思いがあるのではないか。

 代わりに出る日本選手の心の持ちようだが、穴を埋めるという意識ではなく、自分の持ち味をどう発揮するかを考えてほしい。使うのは監督である。その選手の持ち味を考えるのは首脳陣である。だから、選手は「代わりを務めよう」と思わないことだ。ソトやオースティンの代わりはなかなか務まるわけではない。

 開幕投手もほぼ決まってきた。意外なところでいえば、阪神は藤浪晋太郎、そして中日は福谷浩司が務めることが公表された。阪神は西勇輝、中日は昨年の沢村賞の大野雄大と柱の投手がいるが、いずれもコンディション面を考慮したところだろう。はっきり言って、シーズン中盤までは、どこから1勝を挙げても一緒である。勝率5割以上を維持し、戦いながら、チーム戦力を最大化していく。「9人野球」が成り立たない今の野球、開幕投手への意識も変わってきているのかもしれない。

 海の向こうの大リーグにも触れておこう。エンゼルスの大谷翔平が5日(日本時間6日)のアスレチックスとのオープン戦に今季実戦初登板となった。41球を投げ、アウト五つはすべて三振。最速は100マイル(約161キロ)を記録した。

 映像でしか見ることはできないが、おとなしく投げていた昨年とは違い、躍動感はあったと思う。角度のある直球とフォークが持ち味の投手。強く腕を振れるかどうかが生命線なので、その意味では上々の滑り出しといえるのではないか。

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