東京や大阪などで3度目の緊急事態宣言発出が決定するなど、長引く新型コロナ。地域経済は一段と厳しさを増している。その中で、知事自ら給与などを減額する動きが広がっている(AERA dot.既報の「コロナ禍で『身を切る』全国知事の給与・ボーナスランキング」を参照)。さらに将来受け取る退職金までカットするなど、徹底して「身を切る」知事の姿も。現在、知事の退職金はいくらなのか? 編集部の独自調査をもとに、ランキングで紹介する。
* * *
「さらば~涙と言おう~♪」
4月2日、千葉県の森田健作知事(当時)が自身の代表曲「さらば涙と言おう」を披露しながら、退任挨拶を行った。「身の丈以上の仕事をさせていただいた」と語る表情には、やり切った様子がにじみ出ていた。12年ものあいだ県政を担った森田知事の退職金は、3期分あわせて1億2009万6千円だ。
ここ数年、森田知事の評判は芳しくなかった。
2019年9月に千葉県内に大きな被害をもたらした台風15号の対応では、台風翌日に県庁から30キロ離れた私邸に立ち寄ったり、散髪で東京を訪れたりするなどの不適切な対応が判明し、厳しく批判された。最近では、新型コロナ対策の予算に「ガッツ・コロナ予算」と名付け、不評を買った。
計1億2千万円の退職金を千葉県民はどう評価したのだろうか。退職金の金額が報道されると、「もらい過ぎだ」「寄付するべき」などと、県民からは厳しい声があがった。
自分の住む自治体では知事の退職金がどうなっているのか、気になるところだろう。そこでAERA dot.編集部は、各自治体に問い合わせ、1期4年間の任期を満了した際の退職金の額をまとめた。また、参考として総理大臣・国務大臣の退職金も調べて一覧にした。早速、退職金の多い知事・大臣ランキングを見ていこう。
最も多かったのは、神奈川県の黒岩祐治知事で、4176万円だった。2位が埼玉県・大野元裕知事、3位が静岡県・川勝平太知事、4位が千葉県・熊谷俊人知事と続き、いずれも4千万円を超えている。