東京都市圏の3県が上位を占める一方、東京都の小池百合子知事の退職金は3494万4千円で22位だった。「身を切る改革」を掲げ、自身の給与月額とボーナスを半額にしているが、退職金まではカットしていない。昨年7月に1期目の任期を終えたあと、満額の退職金を受け取っている。
退職金、月額給与、ボーナス、いずれも減額している知事もいる。8位の兵庫県・井戸敏三知事は約4052万円の退職金を5%カットして、3859万2千円としている。給与月額は6%カットの126万円、ボーナスは年額で計算すると、5%カットの約666万円となっている。
井戸知事の減額の動きは早かった。2001年に当選すると、早々に給与月額を10%減額した。退職手当は03年から、ボーナスは04年から減額に取り組んでいる。県担当者は「大阪府のほうがピーアールがうまいところがあるが、本県では行財政改革の一環で、知事だけではなく県職員一丸で減額に取り組んできた」と胸を張る。
23位の秋田県・佐竹敬久知事も4065万円6千円の退職金を15%カットし、約3455万円にしている。給与月額は20%カットの96万8千円、ボーナスも20%カットの約449万円だ。いずれも09年4月に当選して以来の取り組みだ。県担当者は「就任早々にリーマンショックで景気が後退していたための取り組みだが、景気が上向きになっても継続して減額してきた。コロナ禍でも続けると一貫してやっています」と話す。
次に、退職金が少ない知事・大臣ランキングを見ていこう。最も少なかったのが、大阪府の吉村洋文知事。0円だ。府知事で最後に退職金をもらったのは松井一郎氏(現・大阪市長)だった。15年に1期目を終えたときに5割減額して、780万8千円を受け取っているが、2期目は受け取っていない。吉村府知事はその後を継いでいる形だ。
これに次ぐのが大臣、首相の退職金で、それぞれ約318万円と約437万円。大臣や首相は職を辞しても通常は国会議員としてその後も議員報酬を受け取るので、知事との単純な比較は難しい。