俳優、脚本家の佐藤二朗さん
俳優、脚本家の佐藤二朗さん
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 個性派俳優・佐藤二朗さんが日々の生活や仕事で感じているジローイズムをお届けします。今回は、俳優の服装について。

【画像】ジャージは着ていないが、まさかのパジャマ…

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 ジャージャーである。

 いま愛するMYガラケーには変換予想で当たり前のように「ジャージャー麺」と出たが、ジャージャー麺ではない。麺は余計だ。余計なのだ。俺は、ジャージャーなのだ。

 俺はジャージをこよなく愛する。いや、正確にいうと、愛するというより、楽。何度でも言おう。ジャージは楽。ラク。らく。もう、なんというか、「夏は暑い」くらいミもフタもない感じは拭えないが、ジャージは楽なんだよ明智くん。

 明智くんはいないし明智くんはジャージ着なさそうだが、俺は違う。着る。着る。そして着る。ジャージを着る。着倒す。いま「きたおす」と打ったら、MYガラケーには変換予想で「喜多男す」となったがそんなことはどうでもいい。ありとあらゆるところで俺はジャージを着倒している。喜多男しているのだ。

 かつて自分の主演映画の初日舞台挨拶にジャージを着ていこうとしたら、「気を確かに持て」と妻に言われたことがある。言われたというか、たしなめられた。深く静かにたしなめられた。そんな妻に今朝、「今回のコラムは、ジャージについて書こうと思う」とドヤ顔で告げたら、「一切わたしは関わってないことにしてくれ」と殺し屋の目で言われたが、事実、妻は関係ない。むしろ妻は常に止めてくれる。たとえば「新幹線の中でジャージはさすがにやめなよ」とか。ちなみに現在、仕事で大阪に向かう新幹線の中でこれを書いてるが、俺のいでたちは………ジャージだ!!

 妻も最近では半ば諦めているようだが、そう、俺のジャージャーぶりは、もはや誰にも止められないだろう。てか、MYガラケーはしつこく「ジャージャー麺」と変換予想してくるんだが、麺は余計だってば。俺はジャージャーであり、ジャージャー麺ではないんだってば。こんなに何度も否定していたら、そうなのかもと思っちゃうじゃないか。ん?そうなのか?多少はそうなのか?俺、多少はジャージャー麺なのか?多少はジャージャー麺ってなんだ馬鹿野郎。

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ど、ど、どうしたんですか!!