実力や魅力はあってこそですが、それ以上に「二世」が成功する鍵は、「親と子の塩梅」がどのように世間に映り咀嚼されるかだと思います。仮に真剣佑さんが「田村正和の息子」だったとしたら、彼を取り巻く結果はまた大きく違ったでしょう。「千葉真一」という、今や蜃気楼のような父親の存在のお陰で、真剣佑さんの輪郭は言わば純粋に際立つことができた。思えば高嶋兄弟(父・高島忠夫)、真木蔵人さん(父・マイク真木)、宇多田ヒカルさん(母・藤圭子)といった人たちも、同様に「絶妙な塩梅」だったのかもしれません。

 もしくは世間の想像や印象を遥かに超える「超越型塩梅」も有効です。古くは工藤夕貴さん(父・井沢八郎)。近年だと岡田結実さん(父・岡田圭右)。そして僭越ながら(しかも二世ではないですが)、ミッツ・マングローブ(伯父・徳光和夫)。この「塩梅」にはかなり自信があります。Mattさん(父・桑田真澄)には負けますが。

ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

週刊朝日  2021年5月28日号

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