自分の価値観を押しつける上司は困りもの(写真hinooto / PIXTA)
自分の価値観を押しつける上司は困りもの(写真hinooto / PIXTA)
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西野一輝(にしの・かずき)/経営・組織戦略コンサルタント。大学卒業後、大手出版社に入社。ビジネス関連の編集・企画に関わる。現在は独立して事務所を設立。経営者、専門家など2000名以上に取材を行ってきた経験を生かして、人材育成や組織開発の支援を行っている
西野一輝(にしの・かずき)/経営・組織戦略コンサルタント。大学卒業後、大手出版社に入社。ビジネス関連の編集・企画に関わる。現在は独立して事務所を設立。経営者、専門家など2000名以上に取材を行ってきた経験を生かして、人材育成や組織開発の支援を行っている

 あなたの周りにムダにやる気を下げてくる人物はいないだろうか? 経営・組織戦略コンサルタントの西野一輝氏は、こうしたやる気を下げてくる人物への対策を『モチベーション下げマンとの戦い方』(朝日新聞出版)として上梓した。今回のテーマは「ミスの指摘が細かすぎる人」について。本書より抜粋、再構成して紹介する。

*  *  *

 細かな相手のミスを指摘することが大好きで、それによって相手が反省すると、自分に優位性があると感じてモチベーションが高まる人がいます。

 ある知人が取引先に提案書を出したところ、指摘事項が山のようにふせんで張られたことがある、と教えてくれたことがありました。ようは「ダメだからやり直せ」ということなのですが、ホチキスの角度、文章の段ずれ、接頭語の適合度など、指摘を受けた当人からすれば「どうでもいいことじゃないですか?」と思えることが50項目以上も指摘され、契約が3カ月も延びたようです。

 当然モチベーションは大幅に下がり、メンタルもやられそうな状態であったと嘆いていました。

 ちなみに、私も同じ人物と仕事をしたことがありますが、同じようにふせんで相当な指摘をされて、同様に滅入ることになりました。

 これは彼らの根っからの性分ともいえ、相手のモチベーションが下がってもおかまいなしに、とことん指摘してきます。

 出勤時に「ごみを集配所に出していなかった」と気づいたとき、来週にまとめて出せばいいと判断する人もいますが、遅刻してでも出さないと「気持ち悪い」と思う人がいます。ようは性分なのです。価値観の問題といってもいいかもしれません。

 細かいミスをしつこく指摘する人は、指摘することで相手のモチベーションがいかに下がってしまうかを想像できないようです。細かいことが気になっても「この価値観は一般的ではない。だから他人には強要しない」と考えられる人であれば問題はないのですが、価値観を強要するから問題といえます。

 そんな状態ではどうしたらいいのでしょうか?

 指摘事項に向き合い、修正に取り組むのが基本であるのは間違いありませんが、あまりに細かすぎる指摘であればギブアップすることも一つの手段です。

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100%修正することは困難です