送検のため大阪府警本部を出る宮本浩志容疑者(C)朝日新聞社
送検のため大阪府警本部を出る宮本浩志容疑者(C)朝日新聞社
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殺害されたカラオケ店店主の稲田真優子さん・享年25歳(知人提供)
殺害されたカラオケ店店主の稲田真優子さん・享年25歳(知人提供)
殺人容疑で逮捕された宮本浩志容疑者(C)朝日新聞社
殺人容疑で逮捕された宮本浩志容疑者(C)朝日新聞社
事件現場となったカラオケパブ「ごまちゃん」が入ったビルの前に置かれた花束(撮影・今西憲之)
事件現場となったカラオケパブ「ごまちゃん」が入ったビルの前に置かれた花束(撮影・今西憲之)

 大阪市北区のJR天満駅近くにあるカラオケパブ「ごまちゃん」の経営者、稲田真優子さん(25)が殺害された事件で、逮捕された会社員・宮本浩志容疑者(56)は当初から大阪府警にマークされていたことがわかった。

【写真】稲田さんを殺害した容疑で逮捕された宮本浩志容疑者の素顔

 宮本容疑者は稲田さんが「ごまちゃん」をオープンさせる前に働いていたカラオケ店A時代からの常連客だった。A店と「ごまちゃん」のどちらも常連だった客はこう話す。

「稲田さんの遺体が発見された直後、彼女と親しかった人に府警から問い合わせがあった。前のA店関係者などは、すぐに宮本容疑者の名前をあげていたそうです。私もその話を聞いて、やはりそうだろうなと思うほど、宮本は稲田さんに執着していました」

 宮本容疑者は4年ほどにA店を訪れ、稲田さんと知り合った。A店は集客にSNSを活用。稲田さんの出勤日はすぐに把握できるようになっていた。

 宮本容疑者は、稲田さんの出勤日にはたいてい店に足を運んでいたという。

「夜8時~9時頃に来て、閉店まで粘っていた。もちろんお店には稲田さん以外の女性もいますが、宮本容疑者は話し相手が稲田さんでなければ、ダメ。同じ常連客から『まゆちゃんラブだね』と声をかけられると、『そうまゆちゃんラブ』と笑っていた。稲田さんが他の客と話していると、急に怒り出すこともあった。稲田さんが自分の店『ごまちゃん』をオープンさせてからも毎日のようにやってきた。稲田さんが他の客を30分くらい接客していると、『何してんのや』と言い、立ちあがって激高。他の男性客が止めようとすると、つかみ合いになったこともあった」(前出の常連客)

 常連客がこのトラブルを稲田さんから聞いたとき、

「何を考えているのかわからない。もう店に来ないでほしい。しかし、来店を断ることもできないし…」

 と困り果てた様子だったという。さらに常連客はこう続ける。

「稲田さんが店を閉めるのを外で待ち伏せしたり、自宅を突き止めようとし、後をつけてきたこともあったらしい。悪質なストーカーだったと思います」

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ストーカー化して狂暴化