内村は常に自己成長を求め続ける人間だ。バラエティー番組での数々のチャレンジは多くの視聴者が目にしているところだが、私たちが知らない場面でも自身を“追い込む”ことがままあるという。
理想の上司ランキング、男性部門で5年連続1位のウッチャンこと内村光良の“上司力”に迫った書籍『チームが自ずと動き出す 内村光良リーダー論』(朝日新聞出版)。関係者への取材を重ねた著者の畑中翔太が、リーダー内村を分析する本連載。
第15回目のテーマは「ドM」。
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内村は、常に「内村光良」自身に満足していない。それはまるでアスリートが0.01秒でもタイムをちぢめようと延々と努力を重ねるように、常に「芸人」としての成長と進化を自分の中で追い求めている。
それは彼の意識の中に、「自己成長を求め続ける」マインドサイクルができているからだ。
なぜ内村は、自分自身に挑戦を課すことをいまだにやめないのか。関係者たちの証言から推察するに、その並外れたストイックさ・貪欲さの謎を解明するキーワードは、「ドM」という気質につきそうだ。
「普通は『笑い』って、ある意味鮮度が大事だったりするんで、何度も稽古をすればするほど芸人さんも飽きてくる。でも内村さんは、驚くほど稽古をするんですよ。鮮度とか通り越して、稽古の向こう側で笑いを勝負しているみたいな。あれだけ自分を追い込むっていうのはホントMなんでしょうね(笑)」(制作会社・SLUSH-PILE.代表取締役 片山勝三氏)
「やっぱりドMなんですよね。それは結構でかい話だと思います。本当にドMな人だから、なんだろうなあ、自分に負荷がのしかかればのしかかるほど、頑張れるタイプなので。ロケもきつければきついほど、おもしろくしてくれる」(『イッテ Q!』総合演出・古立善之氏)
「グアムロケのホテルでも、空き時間はプールサイドに行くことなく部屋で黙々と映画の台本を書いてました。遊びたい気持ちとやらなきゃいけない気持ちだと、やりたい方が勝っちゃうんでしょうね。いつもドキドキしていたいんだと思います。別にそんなことをしなくてもいいのに、苦しい方に苦しい方に行く。苦しいことが好きなんだと思いますね」(担当ヘアメーク・大の木ひで氏)