放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、鈴木さんが脚本を担当したドラマについて。
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AbemaTVでとんでもないドラマを作りました。「酒癖50」というドラマです。主演は小出恵介君です。このタイトルに小出恵介君と言うと、いろいろ連想する方も多いと思いますが、正直、よく引き受けてくれたなと思います。
中身はコメディーではありません。あらすじと説明すると、Hate Alcohol Firm<ヘイトアルコールファーム>という会社に務める酒野聖(さけのせい)と言う男がドラマのストーリーテラー。この役を小出恵介君が演じます。役名見て、「やっぱりコメディーだろ」と思った方、そうじゃないんです。
その酒野が、ある企業の社長から“Hate Alcoholプログラム”の依頼を受ける。これ、簡単に言うと、教習所で事故の映像とか見せて「車は怖いですよ」とイメージさせるあの授業みたいなものですね。
酒野がおとずれた会社では、酒癖が悪いと言われている50人の社員を集めて、プログラムを受講させます。
毎回、一人主人公がいて、一話は、仕事の飲み会で部下に一気を強要する男。これ、みなさんの周りにもいたんじゃないでしょうか?「自分ができるんだから、お前らにもできるんだよ」と、自分ができることを強要する上司。
そんな男が主人公。この男に酒野聖は一気飲みの危険性などを説明するのですが……こういう人って大体が自分を信じて突き進む。そして物語はとんでもないバッドエンドに。
本当にとんでもないバッドエンドです。同じような経験がある人も少なくないと思うのですが、そんな人が見たら心臓を掴まれて潰されるような思いになると思います。
全6話。1~4話は、毎回主人公がいて、酒の飲み方を間違えたせいで、人生がとんでもなく落ちてしまいます。
5、6話は酒野聖の過去を描いています。僕は、絶対のこの人じゃないと演じられなかっただろうというドラマや映画が好きです。