出馬表明した現職の林文子氏(c)朝日新聞社
出馬表明した現職の林文子氏(c)朝日新聞社
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 横浜市の林文子市長(75)は15日、8月8日告示の横浜市長選に出馬する意向を正式に表明した。現時点で立候補の意思を示しているのは、林氏に加え、前自民党神奈川県連会長で前国家公安委員長の小此木八郎氏(56)や作家の田中康夫氏(65)など計9人。菅義偉首相のおひざ元で保守系の票を食い合う厳しい選挙戦となるかと思いきや「結果的に林氏を利する」という見立ても。乱立の横浜市長選はいったい、どんな構図なのか。

【写真】この候補者はなんとなく…

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「IRは横浜市の経済活性化の一つの核となって様々な経済の流れをよくしていくのではないかと思って、IRに引き続き取り組んでいきたい」

 15日に立候補を表明した林氏は会見で、カジノを含めた複合型リゾート(IR)を推進する立場をあらためて明らかにした。

 今回の選挙の大きな争点はIRだ。賛成には、今のところ現職の林文子氏(75)と元衆院議員の福田峰之氏(57)だけ。市民のカジノに対するアレルギーを意識してか、出馬会見では林氏からこんな発言も飛び出した。

「(IRは)家族でみんなで楽しめる場所。ラスベガスに行かれるとわかると思いますけど、すてきなショッピングセンターで買い物していますし、スロットマシーンのあるところもベビーカーを押した人も一緒に楽しんでいます。私は安全な街にしたい。観光都市にするのなら、横浜市に行けば夜も安心して過ごせると」

 国際カジノ研究所の木曽崇氏は横浜市の現状を説明する。

「全国においてIRのカジノ導入には反対論がありますが、横浜ほど大きなムーブメントになっているところはありません。1月にはカジノの是非を問う住民投票条例の制定を求めた署名が19万筆以上集まりました。ある意味、反対派がIRを選挙争点として育ててきたと思っています」

 市民の関心の高いIRについて、林氏はそのときどきで態度を変えてきた。もともとはIR誘致に前向きな考えを示していたが、2017年7月の前回の市長選でIR誘致の「白紙」を掲げて3選。しかし、19年8月に一転して「これまでにない経済的、社会的効果を想定している」とIR誘致の推進に舵を切った。もちろん、一部の市民は公約違反だと猛反発、人気は低迷していた。

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反対派は晴天の霹靂だった