夫:何よ?
妻:必死だったのよ、この人! ドラマが終わった後、彼からよく電話がかかってくるようになったんですよ。携帯なんてない時代だから家の電話に。母は「娘の大切な人なのかも」って思ったみたいで。
夫:お母さんも、よく受け入れてくれたよなあ。
妻:「変にうわさになってもいけないし、家にはお母さんもいるんだから、堂々と遊びに来てもらいなさい」って。
夫:よく彼女の家に行きましたよ。
妻:それがねえ。舞台の話なんかを、延々とするんですよ。それも朝まで!
夫:台本を最初から最後まで、2人の前でやってみせたりして(笑)。
妻:飽きさせちゃいけないと思うのか、うわーっとノンストップ。こっちはもう、眠くて眠くて。
夫:いや、ただ単に楽しかったんだよ、俺が。そのうち、彼女が家にいないときでも友達を連れていったりして。お母さんにご飯作ってもらったりね。
妻:小学生かっ!
――やがて愛川欽也、うつみ宮土理夫妻の媒酌で結婚。盛大な結婚披露宴はテレビで完全生中継された。
夫:結婚してからはびっくりすることだらけ。でも、当たり前でしょ。別々に育ってきた人間が一つ屋根の下で暮らすんだから。あ、ここが違うなあとか、歯がゆいなあって思いを30年やってきて、やっとかみ合うところが増えてきたかな。
妻:まあそれにしても、同じもの食べて暮らしてるのに、どうしてこう太っちゃうのかしらね。
夫:いや、そこは彼女に申し訳ないなと思ってるところなんですけども。こんな仕事してたら1日3食を家で食べるなんて、まずないわけですよ。旅公演ともなれば何日も帰らないし。
妻:ここからは太い字で書いといてくださいね!
夫:外では自分の好きなものが食べられるわけです。
妻:はい、どんなものを食べたんですかー?
夫:ご飯にマヨネーズかけて食べてました!
妻:ほんとにもう……。
夫:いや、マヨネーズが悪いわけじゃないんですよ!
妻:誰が悪いのっ?
夫:僕です(笑)