その後、聞こえた曲はモーリス・ラヴェル作曲の「ボレロ」。こちらは5分ほど演奏されており、通りかかった人たちが足を止めて、国立競技場を見上げていた。

 事前の情報では、他にも有名なアニメソングが聞こえてきたとの声もあり、何かあっと驚くような曲が聞こえやしないかと耳を澄ましてみたものの、残念ながらその後も明確に判別できた曲はなく、住民からも有力な情報は得られなかった。

 取材を始めてから2時間。強烈な日差しと少し歩いただけで額に滲む汗。「もう帰ろうかな」とあきらめかけた時、国立競技場のすぐ近くに住んでいるという別の住民から気になる話が。

「夜になると、ヘリコプターが飛んでいる音が大きく聞こえます。18日の夜は、ドローンの光がピカピカしているのが見えたり、花火が上がったりしていて綺麗でした」(60代女性)

 早速ツイッターをチェックしてみると、ドローンの編隊と思われる光が地球を模した異様な風景を撮影した動画が稿されていて、48.2万回再生(7/21現在)と注目を集めている。その地球は国立競技場の中央部分に浮かび、ゆっくりと回転している様子はまるで巨大なミラーボールが国立競技場を照らしているように見えた。

 そうした開会式のリハーサルを「自宅から目撃した」と、TBSラジオ「赤江珠緒 たまむすび」で語ったのが、お笑い芸人のカンニング竹山だ。
   
 竹山は番組の冒頭で「全部は言わないようにしているけど、オリンピックの開会式なのか閉会式なのか知らないけど、なんかすごいよ。毎晩リハーサルをやってる。昨日夜ヘリコプターが5台ぐらいグワーッと飛び出して、いろんなことが行われだして」と興奮した様子で語った。

 一方、先ほどの女性からは見物人のマナーについて不安の声も上がった。

「音が聞こえたり、花火が見えたり、せっかくなので楽しみたい気持ちはあるのですが、夜会場付近にその様子を見に来た人が、自宅の前に列を作っているのが気になります。ごみを捨てる場所がないので空のペットボトルを家の植え込みに挿して帰る人もいる。マナーを守ってほしいです」(同)

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感染対策の面での心配も