柔道大国ニッポンはメダルラッシュに沸いているが、女性の心を鷲掴みにした外国人選手といえば、60キロ級の銀メダリスト、台湾の楊勇緯選手(ヤン・ユンエイ、23歳)だろう。日本人で金メダルに輝いた高藤直寿選手が決勝で戦った相手だ。激闘を繰り広げても礼儀正しく、サラサラの髪と精悍な顔立ち。おまけに、表彰式ではメダルに頬ずりするかわいらしいしぐさをみせ、多くの女性がテレビにくぎ付けになった。現地での評判を取材した。

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「彼を知る人も少なかったはずですが、高藤選手との戦いをはじめ、メダルを取ろうという闘志、勝ちにこだわる姿勢に台湾の人たちは驚いたようです」

 と話すのは、ヤン選手のファンの台湾人の女性。台湾では柔道はメジャーな競技とはいえず、国家代表といえども決勝に進むまでは注目される選手ではなかったという。それが今回、台湾で柔道初のメダルを獲得すると、インスタグラムのフォロワーが急増。親日家が多い台湾で「ヤン選手が日本で人気」と伝えられたことも相まって、一気に知名度が上昇したようだ。

「台湾の行政院長蘇貞昌も『柔道男神』だとメダル獲得に大賛辞を贈っています」(現地の記者)

 ヤン選手が所属する台湾の事務所には、日本メディアからのインタビュー取材の申し込みも来ているという。日本では情報が少ないが、いったいどんな選手なのか。

「母親も柔道選手です。父親もスラっとしていてハンサムですよ。ヤン君の運動神経の良さは両親から受け継いでいるのだと思います」

 と明かすのは、台湾のスポーツ事情にくわしい関係者だ。いわく、メダル獲得には家族の存在が大きかったという。

 ヤン選手のルーツは、台湾の原住民。幼いころから、年齢の近い兄と一緒にレスリングと柔道を並行して取り組んでいた。柔道一本に絞ったのは、高校生のころ。コーチに才能を見出され、スカウトを受けて台中の国立大学に進学した。

 大学の寮でも兄弟同室だったそうで、兄が一番の理解者だという。5年ほど前の台湾メディアのニュース映像には、兄弟そろってインタビュー取材に応じ、「常に兄が寄りそってくれたことが強さにつながった」と語るヤン選手の姿も残っていた。現在では家族そろって台中に移り住んでいる。

 さて、ここで、ヤン選手と高藤選手の決勝の試合をもう一度振り返ってみよう。

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